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大型造形を実現するMeltio社の金属3Dプリンター「Engine Robot」の取り扱いを開始 ― 3DPC

株式会社3D Printing Corporation(3DPC)は、スペインに本社を構えるMeltioの金属3Dプリンター「Engine Robot」の販売・取り扱いを開始したと発表した。海外では主に防衛や航空宇宙、建設、自動車などで使用されており、すでに70台以上が稼働中の装置である(写真はMeltioのEngine Robot 出典:3DPC)。

海外で進むワイヤーDED方式金属3Dプリンターの活用

日本での金属3Dプリンターの活用率はまだまだ始まったばかりだが、既に海外では最終部品・製品の造形や量産化が進んでいる。Meltioの「Engine Robot」はDED方式を採用しており、ロボットアームの先端に金属3Dプリンターが取り付けられている装置だ。研究センター、防衛、機械工場、食品、航空宇宙、建設、自動車、エネルギー、石油&ガスなどの業界で導入されているようだ。

鋳造と同等の品質で低コスト・短納期を目指す

現在金属部品は、最初に型を作り溶かした金属を型に流し込む鋳造の技術で作られる場合、何人もの職人が何日もかけて1つの部品を作る。一方でMeltio Engine Robotは、データを作成するだけで鋳造と同等の強度をもった部品・製品の造形を可能にすることで鋳造に比べ、納期短縮やコスト低減が可能になるという。

3DPCによるとMeltio Engine Robotは以下の7つの特徴を持つという。

  1. 大型サイズ(1m以上)の部品や製品、複雑な形状をサポートレスで造形
  2. 99.995%の高密度で造形可能ということで、鋳造と同程度の品質を目指すことが可能
  3. バイメタル部品・製品の造形
  4. 修理や、クラッディング(肉盛り加工)など既存部品の性能向上をさせるパーツの追加
  5. 9種類の純正材料※ だけでなく、市販材料(MIG溶接ワイヤーなど)にも対応
  6. 既存のロボットアーム(ファナック、安川電機、ABB、KUKAなど)への搭載が可能
  7. 従来の金属3Dプリンターに比べ厳格な設置要件や保護具を必要としない

※Engine Robotの純正材料9種類

  • ステンレス鋼:316L(SUS316L)
  • ステンレス鋼:308L
  • ステンレス鋼:17-4PH(SUS630)
  • 工具綱:H11(SKD6)
  • ニッケル合金:インコネル718(NCF718)
  • ニッケル合金:インコネル625(NCF625)
  • ニッケル合金:インバー
  • 炭素鋼:軟鋼ER70S
  • チタン合金:Ti-6AL-4V
    ※銅合金・アルミ:現在開発中
    ※現在使用中の既成材料、市販材料、新材料にも対応

銅合金・アルミは現在開発中ということだが、溶接用のワイヤー材料との互換性もあり、現在使用中のワイヤー材料や新材料にも対応できる取り回しの良さは魅力といえそうだ。

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