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多種材料の使い分けを可能とする電子回路印刷用3Dプリンターを発表ー米nano3Dprint

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米国サンフランシスコ州に拠点を置くnano3Dprintは、材料にフィラメントを用いるFDM方式の電子基板や回路を造形できる 電子機器印刷用3Dプリンター「B3300」を発表した。2つのディスペンサーを同時に操り、多種材料の利用が可能となる。

電子回路も3Dプリンターで印刷

「回路の印刷」という考え方は特段新しいものではない。3Dプリンターという言葉が一般に広まる以前から、電子回路の導線パターン作製には、しばしばディスペンサー(可動式インク吐出機)が用いられてきた。近年では、有機半導体など、導電性インク以外の部分も印刷によって構築しようとする研究が進められている。

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複雑化、小型化が求められる電子回路は、折り紙のように折りたたんだり、複数の小さい基盤を連結したりと多層化・立体化も行われている。3Dプリンターの登場は、こうした複層基盤や立体回路の設計や造形に大きな可能性を示している。従来は2次元的であった回路形状に対し、3次元的な回路では使えるスペースが大きく広がる。これまでとは全く異なる構造の回路も今後登場してくるだろう。

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2022年10月、nano3Dprintは、新たな電子機器印刷用3Dプリンター「B3300」を発表した。この3Dプリンターは、「2つのディスペンサーを同時に操作する」という点、及び「様々な材料を使い分けることができる」という点で、従来の回路印刷用3Dプリンターと異なる。

B3300デュアルディスペンシング3Dプリンター (出典:nano3Dprint)
B3300デュアルディスペンシング3Dプリンター (出典:nano3Dprint)

B3300のディスペンサーの対応温度は100度までということで、一般的なFDM方式の3Dプリンターと比べて低温だが、金インク、銀インク、UV硬化性樹脂やシリコーンなどの回路を印刷する際につかう材料には対応している。回路印刷時の粘度は1mPa・s~54000mPa・sということで、水~はちみつの粘度と同程度を調整できるようだ。

印刷できる回路の線幅は0.20mmまで細くすることができるが、一度の掃引で0.50mmの線幅にすることもでき、スピードと精度を使い分けることを意識している。最大造形サイズは214 x 186 x 160 mmということで、小型のウェアラブルデバイスや電子デバイスであれば十分対応できる大きさだ。 

回路印刷時の様子は、ビデオ監視システムでモニタリングでき、層の高さ、表面仕上げ、公差、および真円度などをチェックしつつ、エラーを低減する際に使えるだろう。また、B3300は、ほとんどのCADソフトやスライサーソフト(CADデータを3Dプリンティング用データに変換するソフト)と互換性があり、一般の技術者にも使いやすい環境を目指している。価格は6000ドル(約838,000円:1$=約139円)。後払い・分割払い決済のAffirmに対応しており、月542ドルで購入できるようだ。

電子回路も内製できる!幅広い応用の可能性をどう活かすか

B3300は「材料複合的な電子機器の製造」という新たな可能性を提示する。

nano3DprintのGretta Perlmutter氏は、以下のようにコメントした。

「B3300 3Dプリンターは、幅広い用途に最適なソリューションです。B3300により、センサー、ひずみゲージ、ヒーター、複雑なアンテナ形状、光学部品を3Dプリントに組み込むことが可能になり、医療、農業、太陽光産業、および一般的な家電製品向けの製造ソリューションが提供されます。」

IoTが叫ばれる中、あらゆる機器はセンサーを備え、ネットワークにつながることが求められる。その際に足りない部品として電子回路も当然含まれるし、その利用用途は産業を選ばない。

「これは、エレクトロニクス3Dプリント業界における革新的な開発です。シリコンと金、または半導体と誘電体など、一緒に印刷するのが難しい材料の新しい組み合わせは、B3300と組み合わせて簡単に印刷できるようになりました。」

SNSやクラウドファンディングによる販売で、独自性の高い電子デバイスを個人が規格製造し売ることまでできる時代だ。中小企業も負けずに自社独自のモノづくりを行う際に活用できるだろうし、試作開発時の試験用回路として活用することもできるだろう。 nano3Dprint がB3300によって実現したエレクトロニクス分野でのAM活用は、ほかのAM装置メーカーでも取り組みが行われている中では、手ごろな価格帯だ。デジタルなモノづくりがより身近になっていく中で、どのように自分の業務に取り組んでいくかの創意工夫が問われている。

国内外の3DプリンターおよびAM(アディティブマニュファクチャリング)に関するニュースや最新事例などの情報発信を行っている日本最大級のバーティカルメディアの編集部。

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