1. HOME
  2. 業界ニュースTOP
  3. 知財番付2023で3Dプリンティング関連技術が番付入り ― 株式会社知財図鑑

知財番付2023で3Dプリンティング関連技術が番付入り ― 株式会社知財図鑑

4Dプリンティング技術を活用したInkjet 4D Print。

『知財図鑑』は、世界を進化させる「すごい知財」に出会い、共創を生み出すためのクリエイティブ・メディアだ。2023年に『知財図鑑』が収録した先進技術を番付表にまとめた「知財番付2023」を作成し、最新テクノロジーを表彰している。AIなどの技術も番付に顔を見せる中、3Dプリント分野の技術も表彰された。(上部画像は4Dプリンティング技術を活用したInkjet 4D Print。出典:知財図鑑社)

知財番付2023
知財番付2023(出典:知財図鑑社)

東の横綱「Inkjet 4D Print」複雑な多面体パターンをプリントした折紙を加熱するだけで立体的なプロダクトに自動変形

東の横綱として輝く多面体シート「Inkjet 4D Print」は、4Dプリント技術を活用したソリューションだ。東京大学、宮城大学、Nature Architects、エレファンテック等によって共同開発された「Inkjet 4D Print」は、雑な多面体パターンをプリントした折紙を加熱するだけで立体的なプロダクトへの自動変形が可能となる。

最大で十万本以上の折り目と数万個の面を持つ折紙を、約70度〜100度のお湯などに入れるだけで数十秒で完成させることができる。汎用のUVプリンタと熱収縮するシート状の素材があれば実現可能だ。そのため、従来の3Dプリントよりも造形時間が短く保管や運搬に優れた次世代のファブリケーション手法として、幅広い応用が期待されている。

『「Inkjet 4D Print」は、複雑な多面体を素早く、かつ環境に優しい方法で立体に変形させることができ、製造から運搬、アート作品の創造に至るまで、幅広い分野に革命をもたらす可能性を秘めているという点で多くの審査員の票を集めた』とコメントされている。

「Inkjet 4D Print」については、以下の記事でも詳しく取り上げているので、ご確認いただきたい。

西の関脇「TATAMI ReFAB PROJECT」3Dプリンターを用いて現代になじむ“畳”に編み直すプロジェクト

いぐさを含んだ樹脂をペレット化しExtraBoldの3Dプリンターで造形したTATAMI ReFAB PROJECT
いぐさを含んだ樹脂をペレット化しExtraBoldの3Dプリンターで造形したTATAMI ReFAB PROJECT出典:知財図鑑社)

「TATAMI ReFAB PROJECT」は、使い終えた畳を現代の暮らしになじむ“畳”に編み直すプロジェクトだ。海外展示会のミラノサローネでの受賞実績があり、国際的にも注目を集めた取り組みである。

使い終わった畳と廃棄されるイグサを生分解性樹脂と混ぜ合わせて加工し、大型3Dプリンターを用いて家具として組成。生活様式の変化にともなって触れる機会が少なくなった畳から、テクスチャ・香りを活かした家具を新たに生み出し、畳の魅力を国内外に広く伝えている。畳再生の循環を生み出すだけでなく、日本の伝統工芸の可能性を拡げ、次世代に続く持続可能な工芸としての再構築を促すと期待される。畳再生の循環を生み出すだけでなく、日本の伝統工芸の可能性を拡げ、次世代に続く持続可能な工芸としての再構築を促すと期待されている。

「TATAMI ReFAB PROJECT」についても、以下の記事でも詳しく取り上げているので、ご確認いただきたい。

海外特別賞「メタマテリアル by OPT Industries」自然界や従来の素材にはない構造と機能を持たせることができる人工物質

メタマテリアル By OPT Industories
メタマテリアル By OPT Industories(出典:OPT Industries, Inc.)

海外の特別賞ではOpenAIのChatGPTやAppleのVISION PROなどと肩を並べる形で「メタマテリアル by OPT Industries」が入賞した。「メタマテリアル by OPT Industries」とは、自然界や従来の素材にはない構造と機能を持たせることができる人工物質。角度によって水を受け流す素材や、哺乳類と爬虫類の間のような触り心地がするシートなど、自然物には存在し難い独特のフォルム構造と機能を持たせることができる。OPT Industriesは、独自の構造設計技術と3Dプリント技術で、マイクロレベルの微細な形状を高精度に造形し、ロール印刷での長尺形態でもメタマテリアルの連続作製を実現している。アイデアベースからの素材構造の立案と、実際に印刷したその構造体の製品化が可能なため、医療や美容分野、アパレル、建築材、製造設備など、幅広い領域での構造開発・活用が期待されている。

知財番付2023では、3Dプリントに関連する様々な技術が表彰されている。これらの技術は、効率的な製造方法、新しい材料の使用、環境に優しいプロセスなどを実現し、産業界に新たな可能性をもたらす。

3Dプリンティングの未来への影響

Inkjet 4D Printをはじめとするこれらの技術は、3Dプリンティングの未来に大きな影響を与えることが期待される。製造業界はこれらの技術により、より柔軟かつ効率的な生産が可能となり、カスタマイズされた製品の需要に迅速に応えることができるようになるだろう。

エレファンテック、エクストラボールドの関連記事

今回のニュースに関連するものとして、これまでShareLab NEWSが発表してきた記事の中から3つピックアップして紹介する。ぜひあわせてご覧いただきたい。

国内外の3DプリンターおよびAM(アディティブマニュファクチャリング)に関するニュースや最新事例などの情報発信を行っている日本最大級のバーティカルメディアの編集部。

資料ダウンロード 3Dプリンティング国内最新動向レポート

サイト内検索

関連記事

最新記事

おすすめ記事