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廃棄される畳のい草と樹脂を3Dプリント家具の製造に活用

廃棄される畳のい草と樹脂

デザインラボ「HONOKAデザインラボ「HONOKA」が、2023年4月18日から23日までイタリア・ミラノで開催された「ミラノサローネ国際家具見本市 2023」において、廃棄される畳のい草と樹脂を材料に用いた3Dプリンター製の家具シリーズを出展した。その家具シリーズの材料開発および製造を大型樹脂3Dプリンタ―メーカーのExtraBold社が支援している。(写真は「い草」のリサイクル材料を活用した家具づくりに3Dプリンターで取り組む様子)。

デザインラボHONOKAの位置づけとExtraBoldの運営するBOLDGYM

ExtraBold は3D付加製造機および3Dプリントヘッドの研究開発・製造・販売を行う日本の装置メーカーだ。同社では、デザインや造形を行うメンバーを中心に、アルバイトやインターン、他の企業からの参加メンバーとともに、「ものづくりトレーニングジム」を試行運営している。今回のデザインラボHONOKAの取り組みはBOLDGYMの一部メンバーの自主活動の一環からスタートしたという。

ExtraBoldのペレット式3Dプリンター
ExtraBoldのペレット式3Dプリンター(出典:ExtraBold)

ExtraBoldのペレット式3DプリンターEXF-12と材料開発ノウハウで実現

ミラノサローネに出典される「い草」をリサイクルした家具
ミラノサローネに出展される「い草」をリサイクルした家具(出典:ExtraBold)

畳は、調湿や消臭の性能を備えた「い草」を素材としたものが多いが、生活様式の変化で日本の住居から畳を見る機会が減ってきた。

「Tatami Refab Project」では、畳を現代の暮らしに編み直すプロジェクトとしてデザインラボHONOKが取り組む挑戦だ。このプロジェクトでは、廃棄される畳のリサイクルの取り組みでもある。使い終えた畳や廃棄される原料を生分解性樹脂(酢酸セルロース)と混ぜ合わせてペレット式3Dプリンターの材料として利用する。

実際に利用されたのはイケヒコ・コーポレーション社から提供された廃棄い草で、ExtraBoldが酢酸セルロースと混ぜた造粒機でペレット化している。フィラメントタイプの3Dプリンターでは難しい独自の材料を使った造形を、ペレット式3Dプリンター「EXF-12」を活用することで実現した。

現代の暮らしに編み直した家具を提案

これらの家具は、生分解性樹脂(酢酸セルロース)に廃棄される畳の原料である「い草」を混ぜた材料を、ExtraBoldの設備と技術を活用して独自開発。また、デザインラボ「HONOKA」のメンバーに制作のための作業スペースとともに、ExtraBoldの大型3D付加製造機「EXF-12」と造粒機などの設備を貸与することで、試行錯誤しながらおよそ3ヶ月で今回の展示作品を完成させたということだ。

作品AMIは空中で樹脂を吐出しながら網状の座面を形成(出典:ExtraBold)
作品AMIは空中で樹脂を吐出しながら網状の座面を形成(出典:ExtraBold)

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