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メルカリが3Dプリント製DIY製品の出品に注意喚起

メルカリの注意喚起ページ

日本の大手オンラインフリーマーケットのメルカリが、増え続ける3Dプリント製のDIY製品に関して注意喚起を行った。 3Dプリント製DIY製品のどのような点に問題を持っているのか、メルカリのメッセージを読み解く。画像はメルカリの注意喚起ページ(出典:メルカリ)

3Dプリンターで自作した商品の危険性とは?

メルカリはなにを問題視しているのか。主に衛生的な観点で注意が必要であることを伝えたいようだ。メルカリの公式サイトには、以下のように記載されている。

「3Dプリンターは製造時にできる積層痕で細菌が繁殖する、金属摩耗でノズル片が混入する等のリスクがあります。また、耐熱性が低く、煮沸消毒ができないため、衛生面に問題があります。例えば3Dプリンターで自作したクッキー型やケーキ型のような食品器具に該当する商品を購入し、実際に購入品を使用して調理した場合、細菌や金属片が食べ物に混入し、経口摂取することで健康被害が発生するおそれがあります。食品器具以外にも、自作したランプシェードやライトホルダー等の商品の場合、3Dプリンターの材質はPLA樹脂という植物由来のプラスチック素材で熱に弱いため、使用方法によっては溶けたり発火する可能性があり、事故に繋がるおそれがあります。」

食品器具に関しては食品衛生法の対象になるが、その説明はないようだ。利用者に忖度したというよりも、踏み込んだ説明を行うことによるさらなる説明責任を回避したい意向が透けて見えるような説明文だ。メルカリ側は、あくまでメルカリ利用者は、個人が趣味の範囲で販売しているという建付けなのでこうした表現でも問題ないと考えているのかもしれない。

食品衛生法の対象となるもの

3Dプリント品が食品衛生法の対象となる旨の情報は、複数の団体や有識者から情報発信されている。しかし、まだ一般化してないのが現状だ。一般財団法人 日本文化用品安全試験所は以下のようなPDFを公開して、注意喚起を行っている。

一般財団法人 日本文化用品安全試験所資料
一般財団法人 日本文化用品安全試験所が公開したPDF資料(出典: 一般財団法人 日本文化用品安全試験所 )

この資料によると、市販の箸に3Dプリンターで造形したキャラクターを接着した製品を作って販売や無料配布する場合でも、食品衛生法の管理下におかれる。クッキーの型も同様だ。

自らも3Dプリンター製部品を販売する傍ら、noteで情報発信を行っているysk氏は、保健所に3Dプリンター製クッキー型が食品衛生上どのような位置づけにあるか問い合わせた結果をまとめている。

メルカリの注意喚起に関するysk氏の意見(出典:ysk氏のnote)
メルカリの注意喚起に関するysk氏の意見(出典:ysk氏のnote)

事業者として食器製造に取り組むためにさまざまな準備が必要であることが伝わってくる。こうした知識がないままに作ることができるから製造してしまうと、おおきな法的リスクにさらされる可能性もあるため、注意が必要だ。

特に業種の枠を超えて、新規事業で3Dプリンターを活用した新製品を売り出したいと考えている企業は、関連法規まで含めて事前調査を行うように注意を払う必要があるだろう。

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国内外の3DプリンターおよびAM(アディティブマニュファクチャリング)に関するニュースや最新事例などの情報発信を行っている日本最大級のバーティカルメディアの編集部。

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