1. HOME
  2. 業界ニュースTOP
  3. 造形依頼前にオンラインで造形シミュレーションできる機能を無料提供 ― オリックス・レンテック

造形依頼前にオンラインで造形シミュレーションできる機能を無料提供 ― オリックス・レンテック

3D-FABsのサイト

オリックス・レンテック株式会社が、AI機能を搭載した3Dプリントの造形シミュレーション「3D-FABs」を無料で提供開始する。見積もり時に造形姿勢やサポート位置の検討もオンライン上でシミュレーションできるほか、複数部品のパッチ製造にも対応している。造形可否や金額だけではなくより利用者の目線に踏み込んだ機能を備えていると言えるだろう。

オリックス・レンテックの取り組み

オリックス・レンテックは、2015年に3Dプリンターのレンタル事業を開始して以来、自社内に造形受託用の人員と装置を抱えるなど取り組みを本格化させてきた。同社の受託造形の標準的な納期は材料と造形方式により異なるが約7日間、対応している造形サイズは金属材は最大800mm×400mm×500mm、樹脂材は最大914mm×609mm×914mm。後処理に関しては塗装、磨き、タップ加工、面取り、接着などの実績がある。

そのほかにも、同社のパートナーと提携して風洞実験用模型の造形サービスや、樹脂3Dプリントの定額料金制サービス「サブスク3Dプリント」の取り扱いを始めるなどサービス領域を拡大してきた。そんな同社が次に取り組んだのが、AIを活用したオンライン受託造形の高度化だ。

人の手による見積もりから即時オンライン見積もりへ

受託造形を行うサービスビューローに造形を依頼する際には、材料や造形姿勢、後加工など、造形条件の打ち合わせや再見積りなどに多くの時間と工数を要していた。このすり合わせで品質を向上させることもできるが、受託造形を行うサービスビューローの営業マンやスタッフに何枚も見積書を発行してもらう心理的負担もあれば、算出してもらうための時間がかかるといったデメリットもあった。

AIを活用したオンライン受託造形を便利にする仕組み「3D-FABs」

3D-FABs」は、利用者が3D CADデータをWebサイト上にアップロードし、造形に利用したい材料や3Dプリンター、希望納期や必要な部品数量などを入力することで、概算費用を確認できる仕組みを提供している。

AIによる最適な造形のレコメンド機能や造形可否判定機能を利用できる上、利用者自身が造形姿勢の変更によるサポート材の付き方を確認しながら変更しながら費用や造形可否を知ることができるので、造形条件の違いによるコスト感の違いや造形可否をすぐに理解できる。

見積もり依頼したデータはアーカイブとしてサイト上に2週間保管できる。そのため、同時に複数部品を発注してバッチ製造できるほか、追加発注やその後の検証作業なども効率的に進めることができるようになるという。

「3D-FABs」を利用した造形依頼の流れ

「3D-FABs」 を利用する際の流れは以下のとおりである。

AIによる3Dプリントの造形シミュレーションサイト「3D-FABs」を利用する際の流れ(出典:オリックス・レンテック社)
AIによる3Dプリントの造形シミュレーションサイト「3D-FABs」を利用する際の流れ(出典:オリックス・レンテック社)

利用者登録:約款など確認事項に同意の上、利用者情報を登録すると利用開始。

造形準備:3D CADデータをアップロードして材料やプリンターを選択し、単価を試算。造形姿勢を変更する事で、サポート材が付く位置と量を調整できる。造形姿勢を確定すると、部品として型番が発行され、データベースに保存される。

造形見積もり算出:登録済みの型番を選択し、数量を指定する事で試算表を作成。複数の型番を同時に選択する事も可能で、プリンターの造形スペースに1バッチで何個まで載せられるかも確認できるという。

見積もり発行と注文:試算表の内容が確定した後に、正式なお見積もりが発行される。試算条件によって金額や納期が多少変動する可能性があるということだが、利用者が見積内容を確認した後に造形の発注を行うことができる。

納品:造形受託約款に基づき、オリックス・レンテックがが3Dプリントと後加工を行う。完成後にセキュリティ便にて製品は発送されるという。

オリックス・レンテック社の関連記事

今回の記事に興味を持った方は、以下の記事もあわせてご覧いただきたい。

国内外の3DプリンターおよびAM(アディティブマニュファクチャリング)に関するニュースや最新事例などの情報発信を行っている日本最大級のバーティカルメディアの編集部。

資料ダウンロード 3Dプリンティング国内最新動向レポート

サイト内検索

関連記事