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スワニーが岡谷精密工業と連携して製造業向けの3Dプリント金型による部品生産サービスの提供を開始

スワニー

長野県伊那市の有限会社スワニー(以下、スワニー社)が、長野県岡谷市の岡谷精密工業株式会社(以下、岡谷精密工業社)と協業し、金属3Dプリンターで製造する金型「アディティブモールド」を開発。部品成型数が30,000~50,000個程度の中量生産を短期間で可能にする。(画像の左上および手前中央が金属3Dプリンターで作製した金型「アディティブモールド」 出典:スワニー社)

金型を3Dプリントする画期的な技術

最新の3Dプリンターと3Dモデリング技術を駆使し、製品の設計、試作、量産化を一貫してサポートする企業として急速に事業拡大しているスワニー社は、業界におけるものづくりの課題に取り組んでいる。

なかでも3Dプリンターで樹脂製の金型を作れる「デジタルモールド」は、従来の3Dプリンターにおける課題を解決しつつ、金型製造や製品化に生じるコストや時間といった課題や多品種少量生産ニーズに応えられるものとして注目を集め、2016年には日経優秀製品・サービス賞最優秀賞を受賞した。

樹脂製金型が作製できる「デジタルモールド」 -出典:スワニー社

樹脂製金型が作製できる「デジタルモールド」 出典:スワニー社

金型の設計にはノウハウが必要だし、金型を起こすためには数十万円から数百万円のコストと数週間以上の制作期間が必要だ。一方で、3Dモデルデータを用い直接製造できる3Dプリンターは金型を必要としないため、リードタイムを大幅に削減できる。コストとリードタイムという観点でみると、小ロット製造を行う場合には3Dプリンターが有利だといえるだろう。一方で大量生産をする場合にはコストと時間の両面で金型を使った工法の方が適している。しかしここに品質という軸が加わると、単純に小ロットでも3Dプリンターで調達すればよいといえなくなる。3Dプリンターで造形することができる材料は限られるし、造形時に異方性がでる場合、従来の試験、検査基準では正しく品質評価できないからだ。せめて材質は一緒にしてほしいと品質管理部門から言われることも多いだろう。

この壁を超えることができないために、重要な部品の製造に3Dプリンターを使うことができない、という課題があったわけだが、スワニーはこの課題を簡易型を3Dプリンターで造形するというアプローチでクリアした。スワニーはこのアプローチをデジタルモールドと呼んだが、金属で本型を起こすのではなく、簡易型を樹脂3Dプリンターで造形することで、数十から数百個の生産を従来工法で製造できる。材料も工法も同じであれば最も大きな課題だった品質検査のハードルが大きく下がる。

スワニーのデジタルモールドは「金型を3Dプリントする」という発想の転換で、3Dプリンターの課題と通常の金型製造の課題の両面を解決したといえるだろう。デジタルモールドについては、ShareLabNEWSの過去の記事で取り上げているのでそちらもぜひ参照してほしい。

「アディティブモールド」は「デジタルモールド」の進化版

「アディティブモールド」のロゴマークとイメージ -出典:スワニー社

「アディティブモールド」のロゴマークとイメージ 出典:スワニー社

デジタルモールドは樹脂を素材とするため、耐久性や精度の面で従来の金属性金型に及ばない。しかし今回、超精密部品製造に精通する岡谷精密工業社と連携して開発された「アディティブモールド」は、金属をプリント素材とする金属3Dプリンターで金型を製造するものだ。つまり、デジタルモールドの弱点であった耐久性や精度もクリアされることになる。

アディティブモールドでは、その耐久性を活かし、中量生産(部品成形数 30,000〜50,000)が可能になるとのこと。さらに、3Dデータをもとに造形をする3Dプリンターならではの利点として、従来の切削工法で製造する金型では作製が難しかった複雑な形状の部品も製造可能だ。

なお、部品形状や成形材料によるものの、費用は鋼材製の量産金型と比較しおよそ1/2の費用、納期は1/3の期間で提供できるということだ。単純にすべての金型を金属3Dプリンターで用意すればよいとは言えないかもしれないが、韓国や中国に依頼するよりも低コスト・短納期で金型を用意できる可能性が開けたことは非常に大きいといえるだろう。

ShareLabNEWSではこれまでも金型について取り上げて紹介してきた。こちらのリンクに関連記事をまとめてあるので、そちらも是非、ご覧いただきたい。

国内外の3DプリンターおよびAM(アディティブマニュファクチャリング)に関するニュースや最新事例などの情報発信を行っている日本最大級のバーティカルメディアの編集部。

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