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エヌエスエスがアレルゲンや発がん性物質を含まない光造形3Dプリンター用素材「エキマテ」の改良版を発売

東京都青梅市に本社を構え、3Dプリンターやレーザー加工機の導入コンサルティングを行う株式会社エヌエスエス(以下、エヌエスエス社)が、発がん性物質やアレルギーの原因となる物質(アレルゲン)を含まず、食品衛生法にも適合する3Dプリンター用樹脂素材(レジン)、「エキマテ」の改良版を発売した。食品衛生法に適合しているので、食品器具の造形にも利用可能だ。(画像はアレルギーフリーの3Dプリンター用レジン「エキマテ」 出典:エヌエスエス社)

アレルゲンや発がん性物質を含まない光造形3Dプリンター用素材「エキマテ」の概要

エキマテには通常の3Dプリンター向けレジンに含まれている「アンチモン」や「ビスフェノールA」といった有害物質や、一般社団法人日本皮膚免疫アレルギー学会発表が発表している日本人が反応しやすいアレルギー物質についてまとめた「ジャパニーズスタンダードアレルゲン2015」のアレルゲン一覧に記載されている化学物質を一切使用していない。
また、レジン特有の刺激臭が少なく、室内でも気軽に3Dモデルの造形が楽しめるなど、多くの特徴を有している。

エキマテはトレイに入れた樹脂に紫外線を面状で照射し、樹脂を固めて造形するLCD方式・DLP方式の3Dプリンター専用のレジンで、紫外線をレーザーのように照射するタイプのものには使用できない。

食器にも使用可能

エキマテは3色のラインナップ 出展:エヌエスエス社

エキマテは3色のラインナップ 出典:エヌエスエス社

3Dプリンターで造形し、二次硬化が完了した出力品は、食品衛生法の対象となる。エキマテは食品衛生法に適合しているので今まで活用が難しかった食品器具類への利用も可能だ。仮に、未硬化部が残った状態で口から摂取してしまった場合の急性毒性も食塩と同程度で非常に低い。そのため、食品器具へは問題なく利用可能だといえる。

プリントモデルは水洗いでき、廃液は直接下水へ流せる

エキマテは3Dプリントしたモデルの水洗いが可能で、特別な薬品を使用することなく洗浄できる。また、台所洗剤も使用可能だ。下水へ排水する際に水質処理を必要とする化学物質を含んでいないため、3Dプリント時に発生した廃液もそのまま下水へ流せる。造形後のモデルの洗浄、廃液の処理といった後処理に手間がなくなる点は大きなメリットだ。

油性レジンと同等以上の再現性

エキマテを素材にして造形された3Dモデル 出展:エヌエスエス社

エキマテを素材にして造形された3Dモデル 出典:エヌエスエス社

エキマテは、従来の水洗いレジンの課題であった再現性についても克服している。構成成分の最適化により、油性レジンと同等以上の再現性があるとのこと。また、水性レジンで発生しやすい造形モデルの歪みやひび割れについても抑えられるようだ。再現性については0.06mm程度の形状再現の実績があり、細かな造形が求められるものであっても、十分に使用に耐えられるといえる。

食器にも使えるレベルで安全な材料として開発されたエキマテは、造形物の安心安全だけでなく、水洗いや廃液の排水という運用時の課題に対応している点が秀逸だ。

人体や環境に配慮し、液体樹脂材料のもつ「臭い」や「後処理の面倒さ」や「レジンアレルギー対策」に取り組んだ材料開発を行う流れは今後も注目を集めるだろう。

ShareLabNEWSでは3Dプリンター用の樹脂素材について、これまで多くのニュースを取りあげてきた。以下のリンクにまとめてあるので、ぜひご覧いただきたい。

https://news.sharelab.jp/category/3dp-news/plastic-materials/

国内外の3DプリンターおよびAM(アディティブマニュファクチャリング)に関するニュースや最新事例などの情報発信を行っている日本最大級のバーティカルメディアの編集部。

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