Formlabs社のSLAプリンター、サードパーティー製材料の使用が可能に
株式会社システムクリエイト(大阪府東大阪市荒本新町)が取り扱う、米国Formlabs社の3Dプリンターは、これまでメーカー純正の材料のみを使用することが求められていた。しかし、このたび同社が提供するSLA方式の3Dプリンターにおいて、サードパーティー製の材料を使用できる新しいライセンス、「オープン・マテリアル・ライセンス」が導入された。(上部画像はシステムクリエイト社のプレスリリースより。出典:システムクリエイト社)
要望に応えた「オープン・マテリアル・ライセンス」
Formlabs社は、2011年に創業された新興企業であるにもかかわらず、わずか10年余りで3Dプリンター業界で頭角を現す。特に、2018年にリリースされた「Form 3」は大ヒットし、販売台数ベースで業界トップのシェアを獲得する原動力となった。
Formlabs社が選ばれる理由の一つに、使用できる材料の多様性が挙げられる。同社は、スタンダード系の白、黒、グレー、透明、モデル(高精度用途)をはじめ、エンジニアリング系のタフ(高強度)、ハイテンプ(耐熱)、フレキシブル(TPU系)など、20種類以上の材料を提供している。
しかし、ユーザーからは特殊材料や自社開発材料を用いた造形に対する要望も多く寄せられていた。そこで、この度、新たに「オープン・マテリアル・ライセンス」がリリースされることとなった。このライセンスにより、ユーザーは造形の各種パラメータを自由に設定し、材料の選択肢が大幅に広がる。従来よりも広範な用途に対応可能となり、新たな成長分野の開拓が期待されている。ただし、すべての材料での造形が保証されるわけではないため、事前の確認が必要である。
Formlabs社は、デジタルファブリケーションの可能性を広げ、誰もがものづくりに取り組める社会を目指しているが、新しく登場する「オープンプラットフォーム」では、業界最高クラスのサードパーティー製レジンや、独自の造形設定、405nmの波長に対応する光硬化性レジンを使用することができ、信頼性の高いSLA光造形プリンタでより高性能な部品の製作が可能になる。
今後の展望と業界への影響
Formlabs社がサードパーティー製材料の使用を認めたことは、3Dプリンティング業界全体にとっても大きな影響を与えると考えられる。他の3Dプリンターメーカーも同様の動きを見せる可能性があり、業界全体でのオープンマテリアル化が進むことが予測される。オープンマテリアル化は、ユーザーが特定のメーカーに依存せずに材料を選択できる環境を整えることで、より多様な材料が市場に登場するきっかけとなる。この動きは、材料メーカーにとっても新たな市場機会を生み出し、3Dプリンター市場のさらなる成長を促進する可能性がある。また、ユーザー側でも、材料の選択肢が増えることで、各自のニーズに合わせたカスタマイズが可能となり、3Dプリンティングの活用がより広範囲に拡大することが期待される。
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