高速・大容量・多色刷りを実現、「Phrozen Arco 3D Printer」
台湾の3DプリンターメーカーPhrozen社が、FDM 3Dプリントの「Phrozen Arco 3D Printer」をKickstarterで発表した。従来のFDM 3Dプリンターに比べて高速であり、最大300×300×300mmの大容量ビルドボリュームを有する。4色のマルチカラー印刷が可能で、将来的には16色までの印刷が可能になる見込み。プロフェッショナルからホビーユーザーまで幅広く利用される想定だ。(上部画像は「Phrozen Arco 3D Printer」出典:Phrozen社)
「Phrozen Arco 3D Printer」
「Phrozen Arco 3D Printer」はその高速印刷能力と高度な構造設計に集約され、通常のFDMプリンターの数倍の速度で動作し、30,000mm/s²の加速度と600mm/sの速度を実現している。これは、デュアル18mmギアを備えたHGX押出機が高速で精確なフィラメントの供給を可能にするためである。また、高速動作でも安定した印刷が可能な低重心のコアXY構造を採用、さらに、特許取得済みの超近接冷却システムが、熱源からの距離を短縮し、さまざまな素材での均一な押出性能を確保。これにより、「Phrozen Arco 3D Printer」は柔軟な材料でも高品質の印刷を実現している。
市場への影響
「Phrozen Arco 3D Printer」は高速性と大容量、マルチカラー印刷の機能は、消費者に新たな選択肢をもたらす。特に、従来のFDM 3Dプリンターが提供する速度や印刷サイズの制限を克服しているため、より大きな製品や複雑な多色のプロジェクトを手がけるユーザーにとって魅力的な3Dプリンターだ。また、高速で効率的な印刷能力は、小規模生産やカスタム製品の市場での需要を増加させる可能性がある。これらの特性は、「Phrozen Arco 3D Printer」を市場において競争力のある製品にし、既存のプリンターとの差別化を図っている。
今後の展望と発展
Phrozen社は、現在の4色印刷から将来的には最大16色までの印刷が可能になるようシステムの拡張を計画している。この多色印刷機能の拡張は、ユーザーにさらに多様なカスタマイズオプションを提供し、特にアート、ファッション業界での需要を引き出す可能性がある。また、Phrozen社はプリンターのエコシステムを拡大するために、新たなフィラメント素材の開発にも注力している。これにより、異なる種類の材料を使った印刷が可能になり、用途の幅が広がる。さらに、Phrozen社は顧客のフィードバックを積極的に取り入れ、製品の改善と新機能の追加を継続的に行う計画である。
Phrozen、イグアスの関連記事
今回のニュースに関連するものとして、これまでShareLab NEWSが発表してきた記事の中から2つピックアップして紹介する。ぜひあわせてご覧いただきたい。
国内外の3DプリンターおよびAM(アディティブマニュファクチャリング)に関するニュースや最新事例などの情報発信を行っている日本最大級のバーティカルメディアの編集部。