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3Dプリンターが利用できる民間施設

3Dプリンターの性能は年々向上し、扱える素材や造形できる形状が増え、3Dプリンターでできることも大きく広がりました。3Dプリンターの導入を検討する企業も増えています。

しかし、高性能な3Dプリンターの導入には高額な予算が必要です。正式導入前にトライアルを行いたい場合や低予算での3Dプリンターの利用を考える際には、レンタルや出力サービスを活用するか、公共施設を活用する方法があります。また、まずは3Dプリンターがどのようなものであるか試験的に利用してみたい場合には、民間施設で体験してみる方法もあります。

民間施設は業務用よりも家庭用に普及している3Dプリンターが主となりますが、より気軽に体験でき、3Dプリンターがどのようなものか理解することができます。民間施設の3Dプリンターについて紹介します。

3Dプリンターが利用できる民間施設

3Dプリンターが利用できる民間施設とは

3Dプリンターが利用できる民間施設は、ファブスペースやメイカースペースなどと呼ばれる施設です。3Dプリンター、レーザーカッター、ボール盤、はんだごてなど、様々な工作機械や工具を利用することができ、ものづくりをサポートしてくれます。運営を行っているのは、ものづくりの好きな人が集まって作った任意団体や、3Dプリンター出力サービスを行っている企業、スタートアップを応援している企業などです。規模は比較的小さく、機材は主に家庭用レベルのものになりますが、業務用の装置を設置している施設もあります。

民間施設を利用するメリット

民間施設を利用するメリットは、3Dプリンターの使用に対してのハードルの低さがあります。多くの民間施設では家庭用の扱いやすい3Dプリンターを設置しているので、初めて3Dプリンター扱う場合にも直ぐに出力まで行うことができます。扱い方のトレーニングを行っている施設もあるので、3Dプリンターを知るという点では最適です。また、ものづくりに対しての意見交換も行えるので、製品開発のヒントになる場合もあります。

民間施設の利用方法と利用料金

民間施設の利用方法は、施設の会員となり、毎月会費を払う形のものが多いです。機材利用に関しては、使用ごとに使用料を払うものや、月々の会費に使用料も含まれるものなどがあります。月の会費は1万円前後から。3Dプリンターの使用料金は機種により異なり、1時間単位で1,000円程度から数千円になります。

利用でき民間施設

以下に3Dプリンターを利用できる民間施設の例を挙げます。

FabLabSetagaya at IID

株式会社ものづくり学校が運営している、廃校となった旧池尻中学校舎を再生した複合施設「Ikejiri Institute of Design 世田谷ものづくり学校」内の施設。ファブラボのネットワークに参加。3Dプリンター、レーザーカッター、CNC、3Dスキャナーなどのデジタルファブリケーション機器を設置した、個人から企業まで誰でも使える地域に開かれたものづくりスペース。造形・出力請負サービスも実施。年に500回を超える各種のワークショップ、展示、セミナーも開催しています。

使える3Dプリンター(機種)

  • MF-2200
  • AFINIA H800
  • Raise3d N2
  • Form3

利用料金

入会費 1,000円 60分510円+フィラメント代

住所:東京都世田谷区池尻 2-4-5 IID 世田谷ものづくり学校 116号室
電話:03-6804-0200

Webサイト

Fab core

岐阜県の情報産業拠点ソフトピアジャパン地区にある、ものづくりとITを融合した新商品、新サービスの開発を支援するための工房。3Dプリンターやレーザー加工機などのデジタル工作機器が時間単位で利用可能。機材の使用には導入研修を受講する必要があります。商品開発相談や最新のIoT情報共有イベントなども実施しています。

使える3Dプリンター(機種)

  • 3D Systems Projet MJP5500X
  • UP mini2

利用料金

< 3D Systems Projet MJP5500X >
1時間2,570円(税込)※別途後処理機器使用料金740円(1時間あたり)
硬質樹脂1g 46円、軟質樹脂1g 46円、サポート1g 28円

< UP mini2 >
1時間370円(税込、フィラメント代込み)

住所:岐阜県大垣市今宿6-52-16 ドリーム・コア 1階
電話:050-3474-4859

Webサイト

cre8 BASE KANAYAMA | クリエイトベースカナヤマ

誰でも気軽にものづくりやワークショップが楽しめる会員制のスペース。会員は3Dプリンター、レーザー加工機、ダイレクトUVプリンター、刺しゅう機などの機材を自由に使用することができます。3DCADによるモデリングセミナーなど、ものづくりに関しての各種のセミナーも多数開催しています。

使える3Dプリンター(機種)

  • zortrax M200
  • Raise3D Pro2
  • ANYCUBIC Photon Mono X
  • ANYCUBIC Wash & Cure Plus
  • ANYCUBIC PhotonS

利用料金

会費月6000円
Raise3D Pro2 10分50円(別途フィラメント代)

住所:愛知県名古屋市中区金山1-14-16 トキワビル4F
電話:052-331-1382

Webサイト

Kyoto Makers Garage

京都市やハードウェアスタートアップに特化したVCなどが協力してオープンしたファブ施設。3Dプリンターの他、レーザーカッター、CNCルーター、バンドソー、ボール盤などが利用可能。ワークショップやイベントなども積極的に開催しています。

使える3Dプリンター(機種)

  • Lulzbot Taz6
  • PRUSA i3 MK2.5 / PRUSA i3 MK3

利用料金

FFF方式3Dプリンター(1時間):500円
3Dプリンター機材利用トレーニング(2時間):定期3,000円/個別4,000円​

住所:京都府京都市下京区朱雀宝蔵町73-1ライトワンビル1F
電話:075-205-5319

Webサイト

Tschool

立川市の民間企業「まちづくり立川」が設立した施設。ものづくりで創業することや、ものづくりを副業にしたい人の利用を想定した施設であり、施設内には展示販売用のショーケースも設置しています。3Dプリンターの他、レーザー加工機、UVプリンター、革漉き機、工業用ミシン、塗装機器などが利用可能。コワーキングスペースとしての機能もあり、鍵付きの個室ブースを利用できるプランもあります。

使える3Dプリンター(機種)

  • ダヴィンチ1.0 Pro 3in1

利用料金

入会手数料15,000円
STUDIO会員:月15000円(機材利用料無し)

住所:東京都立川市柴崎町2丁目7番地9号 岩下ビル1階、2階

Webサイト

ファブスペースみたか

三鷹市が出資している第三セクター「まちづくり三鷹」が運営しているファブ施設。3Dプリンターの他、レーザーカッター、UVプリンター、モデリングマシン、電子刺繍ミシン、ハンディ3Dスキャナーなどのデジタル加工装置を利用できる。ものづくりによる創業や商品化を目指した、デジタル加工機による作品コンテストも定期的に実施しています。

使える3Dプリンター(機種)

  • UP BOX
  • monoFab ARM-10

利用料金

入会金一般1000円、施設使用料1日1,000円。
3Dプリンター利用料1枠(50分)1,100円

住所:東京都三鷹市下連雀3-38-4三鷹産業プラザ
電話:0422-40-9669

Webサイト

まとめ

民間施設の3Dプリンターは、金属の造形や大型のものの出力などができない家庭用の物が主になりますが、気軽に利用することができます。また、ものづくりに高い関心を持つ人が集まる場所でもあるので、3Dプリンターの利用だけでなく、新製品開発につながるアイデアを得ることができる可能性もあります。3Dプリンター導入前の検討段階で一度利用すれば、より理解が深まります。全国に様々な規模の民間施設があるので、利用してみてください。

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