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Carbon、造形スピード×多様な形状造形に対応した新型3Dプリンターの発売開始

アメリカに本社を構えるCarbon社が新たに改良された新型3Dプリンター「M3」と「M3 MAX」の発売を開始した。今回は既存品と比べてバージョンアップされたポイントと同社が新たに展開する3Dプリンターのサブスクリプションサービスについてご紹介する。

Carbon社から販売された3Dプリンター「M3」と「M3 Max」の外観。白黒の洗練された、縦長デザイン
3Dプリンター「M3」と「M3 Max」 出典:Carbon社

DLS方式3Dプリンターについて

DLSは(Digital Light Synthesis)はCarbon社が開発した3Dプリンター技術だ。紫外線を照射して造形を行う点は通常のSLA(光造形)方式と同様だが、光量と酸素流量を制御する窓を用いて素早く部品を製造する技術が用いられている点で異なる。

プリンター内の窓で酸素量をコントロールすることにより、素材の層の硬化度を調整し、次の層との接合部と同等の硬化度にできる。結果として積層痕を残さず、かつ造形スピードも速い。優れた3Dプリンター技術のひとつだ。

3Dプリンターの方式について詳しく知りたい方は以下の記事でもご紹介しているのでぜひご覧いただきたい

≫ 業務用3Dプリンターの造形方式

M3とM3 MAXの特徴

M3シリーズは、印刷スピード、精度、使いやすさを総合的に兼ね備えている。ベースとなるM3モデルは、従来製品のM2と同じ造形量(189×118×326mm)で、M3 MaxはM3の約2倍となる307×163×326mmの造形ボリュームだ。M3 Maxは大物部品や小ロット生産向けの製品と言える。

M3のクローズアップした外観
3Dプリンター「M3」 出典:Carbon社

M3とM3 MAXともに熱管理機能を搭載することで、部品に悪影響を与えることなく速い印刷速度を維持できるようになった。既存製品のM2と比較すれば最大250%の印刷スピードになるという。

印刷精度に関しても改良がなされ、従来のプリンターでは難しかった複雑な形状の印刷にも対応している。特に、ゴムのような弾性を持つエラストマー部品や、大きな力に弱い複雑な形状をした部品への適性が高い。さらに造形したモデルの滑らかも従来製品と比べ向上し、造形するごとに生まれるモデルのバラつきも最大で50%抑えられるなど、さまざまな面で改良が見られる。

過去モデルのM2と、新モデルM3で、同じ3Dデータを出力した際の滑らかさの比較。M3の方が目に見えて滑らか
3Dプリンター「M2」と「M3」での造形後の滑らかさの比較 出典:Carbon社

Carbon社の製品・事業開発担当最高責任者であるPhil DeSimone氏はM3シリーズについて以下のように述べている。

「M3やM3 MAXといった次世代プリンターにより、あらゆる業種の設計チームが、最終用途に耐えうる高品質なプロトタイプをこれまで以上に迅速かつ効率的に作成できます。また、製品開発が完了した後は、Carbon社のプラットフォームにより、世界中のどこででも迅速かつ効率的に生産に移行することができます」

Carbon社は3Dプリンターのサブスクリプションサービスを展開

Carbon社は自社製品をサブスクリプション型モデルで提供している。M3シリーズの価格については問い合わせが必要だが、一例として従来製品の「M1」は年間4万ドル、400×250 x460mmの造形ボリュームを持つ「L1」は年間25万ドルで注文可能だ。

通常は高額となりやすい3Dプリンターをサブスクリプションサービスで利用できるため、初期コストを抑えて最新の3Dプリンターが業務に活用できる。これにより、小中規模の企業でも3Dプリントを用いた業務展開がしやすくなる。

今後3Dプリンター導入する企業は、ビジネスパートナー候補としてCarbon社を筆頭に挙げる場面が増えてくるのかもしれない。

関連情報

国内外の3DプリンターおよびAM(アディティブマニュファクチャリング)に関するニュースや最新事例などの情報発信を行っている日本最大級のバーティカルメディアの編集部。

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