マークフォージド・ジャパンが国内ドローン市場への参入を表明
2022年12月に国内でのドローン規制が緩和されたことにともない(ドローンレベル4解禁)、マークフォージド・ジャパン株式会社が日本のドローン市場へ参入することを発表した。今後は炭素複合素材3Dプリンターでドローン製造を支援していくとみられる。(一部追記:23年1月26日)
ドローン レベル4解禁
2022年12月5日に、日本でドローンの「レベル4」が解禁された。レベル4とは、有人地帯において、操縦者が目視できない場所でドローンを操縦することを指す。これまで無人地帯のみに制限されていたドローンの使用範囲が、レベル4の解禁によって有人地帯上空にまで拡大された。さらに、 機体登録制度や免許制度、航空管理制度なども刷新されている。
レベル1〜レベル4で規定されている飛行形態は以下のとおりである。
- レベル1・・・操縦者の目視内での操縦飛行(空撮・橋梁点検など)
- レベル2・・・管理者の目視内での自動・自律飛行(農薬散布・土木測量など)
- レベル3・・・無人地帯における管理者の目視外での飛行(県内の郵便局間の輸送など)
- レベル4・・・有人地帯における管理者の目視外での飛行(都市部などの上空を飛行しての荷物輸送など)
※レベル1・レベル2の目視内には、「目視外補助者あり」も含まれる。
ドローンレベル4の解禁は、特に物流業界へ大きな影響を及ぼすと考えられている。
現在はトラックで配送している荷物の一部をドローンに置き換えることで、都市部における交通渋滞や配送遅延の緩和が期待できる。
そのほか、測量・防災・災害支援・インフラの保守点検などにおけるドローンサービスはさらに拡大し、ドローンの出荷台数も大幅に増加することが見込まれる。
Japan Drone / 次世代エアモビリティEXPO in 九州(福岡)2022
ドローンレベル4の解禁を受けて、2022年12月6日・7日には、福岡国際会議場で「Japan Drone / 次世代エアモビリティEXPO in 九州(福岡)2022」が開催された。
同EXPO内の講演で、マークフォージド・ジャパン株式会社代表取締役社長のトーマス・パン氏は以下のように述べている。
「マークフォージドは、レベル4の解禁で急成長する日本のドローン分野における機体の開発と生産、とくに軽量化及び高性能化に貢献できます。
マークフォージドは、生産機として使われている産業用3Dプリンターの実績あるラインナップと、高強度・軽量素材のCFR(Carbon Fiber Reinforcement)炭素繊維複合素材を提供しています。
ドローンの試作からカスタム生産に最適なマークフォージドのデジタルソリューションは、カーボンファイバー3Dプリンターの簡単な操作性と最高の製品品質を必要としている日本のドローンメーカーの要求に確実に応えられると確信しています。」(トーマス・パン氏)
上記の発言を通して、マークフォージド・ジャパンが国内のドローン製造に大きくコミットしていくことを表明した。またShareLab編集部が独自にトーマス・パン氏に今後の展望について伺った 。
「当社の長繊維のCFRP(炭素繊維強化プラスチック)を用いることができる3Dプリンタ―は、軽量化が最優先されるドローン分野において非常に活躍が期待できます。すでに様々な形で国内での取り組みを進めてはおります。中でも、市場への応用事例の周知が最重要と考えています。。海外の事例は既に多くありますが、日本で不足しているのは、国内の実例だと思いますので、やはりできるだけ多くの日本のユーザにおける実例を発信していきたいと思っております。」 ( トーマス・パン氏 )
Markforgedの炭素繊維複合材対応型3Dプリンター
マークフォージド・ジャパンは、国内ドローンメーカーおよび関連企業のニーズに対応するため、小型部品用のデスクトップモデルの3Dプリンター「Mark Two」、ミッドフレームサイズの「X7」、量産用のラージフレームモデル「FX20」を提供している。
マークフォージドが販売する3Dプリンターや販売戦略の詳細については、以下の記事を参照していただきたい。
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