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Axtra3D、完全な純正シリコーン材料「TrueSilX50」の正式提供を開始

Axtra3Dのプレスリリースより。

Hi-Speed SLA方式3Dプリンティング技術を牽引するAxtra3D(アメリカ・ノースカロライナ州)は、新たな材料「Spectroplast TrueSilX50」を正式に発表した。これは、Axtra3DのLumia X1プリンター専用に設計された完全なる純正シリコーン材料であり、Axtra Solutions製品ラインナップを拡張し、産業用途および医療分野への応用を可能とする。TrueSilX50は、Axtra3Dの「トレードオフなし」の高速SLA技術を基盤に開発された材料であり、高精度かつ高速での弾性シリコーン部品の造形を実現する。これは、従来の押出成形シリコーンと比較して材料性能を損なうことなく、光重合方式による積層造形(AM)で初めて純シリコーンを加工できる画期的な技術であり、部品品質・精度・機械的特性の面で大きな飛躍を遂げている。(上部画像はAxtra3Dのプレスリリースより。出典:Axtra3D)

卓越した材料性能と表面品質

TrueSilX50は、純正成形シリコーンが有する耐久性と柔軟性を、量産対応可能な3Dプリンティング工程に組み込んだ最初の材料である。硬度(ショアA)48、破断時伸び率330%、引裂き強度22N/mという優れた機械的特性を持ち、医療用や産業用、ウェアラブル用途における高い信頼性を提供する。現在、生体適合性に関する試験(細胞毒性・皮膚刺激・皮膚感作性)は進行中であり、これまでのSpectroplast製TrueSilシリーズと同様の合格が見込まれている。

また、従来の押出シリコーンと異なり、TrueSilX50では積層痕や表面の粗さといった問題が発生せず、滑らかで均一かつ等方的な仕上がりが得られる。これにより、複雑な形状や微細構造の再現性に優れ、外観品質も飛躍的に向上する。

アプリケーションの可能性を拡大

TrueSilX50は、従来の製造プロセスにおける制約を解消し、以下の用途において大きな可能性を示している:

  • 医療・ヘルスケア分野:解剖学モデル、ウェアラブル医療機器、ベビー用品、化粧品用アプリケーター、血管・臓器モデル
  • 産業・自動化分野:シーリング材、ガスケット、キーパッド、防水筐体、食品加工用衛生部品、家庭用電化製品部品
  • 補聴器・歯科分野:オーダーメイド補聴器、マウスガード、歯科用装置など、精密なフィット感と快適性、リードタイム短縮を実現

TrueSilX50の造形ワークフローは完全に最適化されており、再現性や信頼性に優れ、最小限の後処理で済むため、生産ラインへの統合もスムーズである。材料性能の劣化もなく、極めて効率的でスケーラブルな製造ソリューションを提供する。

Axtra3DのLumia X1とHPS技術による革新

Axtra3DのLumia X1は、HPS(Hybrid PhotoSynthesis)技術を搭載しており、これまでのSLAやDLPシステムにありがちな「精度と速度」「造形品質と生産性」といったトレードオフを解消する。HPSは、レーザーとDLPを同時に用いた画像投影技術であり、TruLayerと呼ばれるレイヤー剥離技術と組み合わせることで、従来の最大20倍のスループットを実現している。

Axtra3Dについて

米国とイタリアを拠点にグローバル展開するAxtra3Dは、Hi-Speed SLAシステムの開発に注力しており、造形スピード・精度・解像度・表面仕上げといった従来技術の限界を打破している。主力製品であるLumia X1は、HPSとTruLayerの融合によって積層造形の新たな基準を打ち立てた。

同社は以下の2つのビジネスモデルを展開している:

  • Axtra Solutions:材料からプリントプロファイル、技術サポートまでを一貫して提供する最適化済みソリューション。
  • Axtra OpenAccess:材料や用途の実験的活用を可能とする、より柔軟で革新的な開発志向モデル。

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国内外の3DプリンターおよびAM(アディティブマニュファクチャリング)に関するニュースや最新事例などの情報発信を行っている日本最大級のバーティカルメディアの編集部。

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