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3D Systems、RAPID+TCT 2025にてアプリケーション特化型ソリューションで製造業を変革

3D Systemsのプレスリリースより。

3D Systems(アメリカ・サウスカロライナ州)は、業界のイノベーションの在り方を変える新たなソリューションを多数発表した。RAPID+TCT 2025では、同社のFigure 4 135 3Dプリンターと、難燃性素材「Figure 4 Tough 75C FR Black」が紹介される。これらは、モータースポーツ部品、家具金具、電気コネクタなど、多品種少量生産向けの精密製造に適した、コスト効率の高いアディティブ・マニュファクチャリングソリューションの中核を成す。さらに、ペレット式のEXT Titan 3Dプリンター向けに、加工を伴うアプリケーションの後処理効率を大幅に向上させる新モジュールを初公開。加えて、鋳造用パターン製作分野における先駆的技術として「QuickCast Diamondビルドスタイル」の提供を発表。これはPSLA 270光投影型技術と連携し、部品製作までの時間短縮を実現する。(上部画像は3D Systemsのプレスリリースより。出典:3D Systems)

プラスチック部品向け高スループット・高精度製造ソリューション

近年の製造現場では、産業用特殊部品の需要増加と、柔軟な生産技術の採用が進む中、多品種少量生産(HMLV)のニーズが高まっている。従来の大量生産手法は、HMLVへの適用が難しく、高コストかつリードタイムが長いという課題を抱えていた。こうした課題に応え、3D Systemsは新たに「Figure 4 135」を投入。このプロジェクターベースの技術は、先進素材開発と融合し、変動の激しいHMLV環境にも柔軟に対応可能。金型や在庫管理を不要とし、製造コストの大幅削減を実現する。

また、本システムは極めて高い精度と安定性を備えており、工程能力指数(CpK)1.33以上が求められる厳しい生産にも対応可能。家具部品、医療機器、電子機器など、精度と再現性が重視される領域において、金型代替として理想的である。たとえば、従来は金型による射出成形が必要だった電気コネクタも、本システムを用いれば、短納期で高精度なコネクタを直接製造可能。年間数百から数千SKUを製造するメーカーにとっては、数百万ドル規模のコスト削減が期待できる。

さらに、難燃性で高耐熱性の素材「Figure 4 Tough 75C FR Black」も導入。これはUL94 V0の評価を取得しており、家電、車載機器、電子機器など、安全性と耐久性が求められる分野に最適である。

工程効率を大幅に向上させる新モジュール

EXT Titan Pelletシリーズは、鋳造、車両、航空宇宙、防衛、消費財分野における、パターン、型、治具、最終製品の製造に広く活用されている。今回、新たに導入されるモジュールは、以下の機能を提供する。

  • 密度最適化:押出流量をリアルタイムで最適化し、内部空隙を低減。これにより加工時間を最大50%短縮可能。
  • プリントベッドマッピング:ベッドを60秒以内にスキャンし、高さマップを数値で提示。従来法と比べ最大60%の時間短縮を実現。

この新モジュールは、ミーリング機能付きEXT Titanシステムに標準装備され、既存機種にも後付け可能。2025年第3四半期に提供開始予定。

鋳造用パターンの高速・低コスト製作

航空機タービンブレードなど、高信頼性が求められる部品の製造に使われる「インベストメント鋳造」は、通常、型の作成に数週間と数万ドルを要する。3D Systemsは1990年代半ば、QuickCastによりこの領域を革新した。

今回、同社は新たに「QuickCast Diamondビルドスタイル」をPSLA 270に対応させた。これにより、高速かつ高精度で中型部品を製造可能。Figure 4技術のスピードとSLA技術の精度を併せ持つこのソリューションは、複雑な形状のパターンも迅速に造形可能で、鋳造の効率を飛躍的に高める。

この新ビルドスタイルは、同社の3D Sprintソフトウェアで利用可能で、提供開始されている。

3D Systemsとは

3D Systemsは、1986年にチャック・ハルが設立した世界初の3Dプリンティング企業であり、光造形(SLA)技術の発明者としてアディティブ・マニュファクチャリング(AM)産業の礎を築いた。現在では、医療、歯科、航空宇宙、防衛、自動車、モータースポーツなど多様な分野に向けて、3Dプリンター本体、専用材料、設計・製造支援ソフトウェアを含む包括的なソリューションを提供している。近年は多品種少量生産や迅速な製品開発への対応が重視される中、プロセス効率と品質を両立する製品群を次々と投入。特に医療や航空宇宙分野では、高精度かつ軽量なカスタムパーツの需要に応える形で実用化が進んでいる。今後も、AI・自動化との連携や新素材開発を通じて、ものづくりの高度化と持続可能な製造を推進し、顧客の競争力強化と産業全体の変革をけん引していく展望を描いている。

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国内外の3DプリンターおよびAM(アディティブマニュファクチャリング)に関するニュースや最新事例などの情報発信を行っている日本最大級のバーティカルメディアの編集部。

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