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月面で暮らすための3Dプリンター住居を開発

3Dプリント住居「ROSENBERG」の月での使用イメージ 出典:SAGA-Space-Architects社.jpg

デンマークのコペンハーゲンに拠点を構えるSAGA Space Architects社が、月面で暮らすための3Dプリンティング住居「ROSENBERG」の開発を進めている。2022年の9月までに建設予定とのこと。(画像は3Dプリント住居「ROSENBERG」の月での使用イメージ 出典:SAGA Space Architects社)

3Dプリンター住居「ROSENBERG」の特徴

ROSENBERGは、2.5階建ての構造で、高さは約7m。月面で90日間、2人の宇宙飛行士が快適に過ごせるように設計されている。限られたスペースを有効に活用できるよう、居住区は大きく6つに区切られ、多機能の床や家具が設置されている。宇宙ロケットに搭載することを想定した、特別な設計となっている。

3Dプリント住居「ROSENBERG」での居住イメージ 出展:SAGA-Space-Architects社
3Dプリント住居「ROSENBERG」での居住イメージ 出展:SAGA Space Architects社

最上階は寝室だ。寝室の天井高を低くすることで、主要な居住区の天井が高くなり、空間を広く感じられる。昼は明るく、夜は暗くなるといったリズムのない月面では、宇宙飛行士のサーカディアンリズム(体内時計)が乱れてしまう。それを補うために、地球上の自然光の微妙な時間変化を正確に再現し、擬似的な自然光を室内に浴びせることが可能な、高性能サーカディアンライトも設置された。

外装は、月面での過酷な環境に耐えられるよう、人間や動物の骨の成長からインスピレーションを得て、波状の表面が生成されており、強度と軽さが最適化されている。

ROSENBERGは折り畳み構造のLUNARKがベースになっている

SAGA Space Architects社は「未来の宇宙旅行者が住みやすい空間を実現する」をミッションに掲げ、これまでもさまざまな居住空間をデザインしてきた。その1つに「LUNARK」がある。

折り畳み構造の月面用住居「LUNARK」-出展:SAGA-Space-Architects社
折り畳み構造の月面用住居「LUNARK」-出展:SAGA-Space-Architects社

LUNARKは折り紙のような構造で、展開が可能。実際に日本の折り紙についての研究がなされ、設計に活用された。外壁は硬いカーボンファイバーのパネルで構成されている。折り畳んだ状態から比較すると、750%の拡張を達成している。これにより、輸送時のコストやスペースを節約すると同時に、宇宙飛行士のためのスペースが最大化される。

外壁にはソーラーパネルが組み込まれ、可能な限りエネルギーが供給される仕組みが採用された。

月探査の場合、居住区はロケットの中に収まる必要があるが、LUNARKのテストでは、グリーンランド北部まで、輸送用コンテナの中に収める必要があった。この際使用されたコンテナは、幅2.35m、高さ2.39mと、ロケットよりもかなり小さいサイズだった。

折り畳んだ状態の「LUNARK」-出展:SAGA-Space-Architects社
折り畳んだ状態の「LUNARK」-出展:SAGA Space Architects社

LUNARKは、グリーンランドの高緯度北極圏にあるモリウサク近郊で行われた月探査のアナログミッションでテストされた。LUNARKをテスト地に設置し、60日間、完全に隔離された状態で生活した。ハリケーン級の強風や暴風雪、-30℃の低温に耐えながらも、快適な生活環境が維持できたとのことだった。

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