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NASAが月面インフラ建設のための3Dプリンティング技術の研究と開発に投資ー総額5,720万ドルをICON社に発注

月開発のイメージ 出展:ICON社

NASAが、アメリカのテキサス州を拠点とする建築用3Dプリンター装置メーカーICON社に対し、月面の住居、道路を建てる施工技術など、インフラ建設のための研究開発を5,720万ドル(日本円で約78億円。1ドル136円で換算)で発注した。この契約はNASAの、月での人類の持続的な活動を目指す「アルテミス計画」の一環として行われる。(画像は月開発のイメージ 出展:ICON社)

月の資源で3Dプリント建設を

ICON社はアメリカで初めて3Dプリント住宅を建設し、その後、メキシコでも3Dプリント住宅を建設し、今後はテキサス州のオースティンでも3Dプリントの集合住宅を建設予定だ。

また、「Mars Dune Alpha」と呼ばれる3Dプリントされた火星向け住居のシミュレーションを行い、NASAが長期的ミッションに向けた宇宙飛行士の訓練に使用するプロトタイプの製作も行っている。

ICON社の次世代型3Dプリンター「Vulcan」 出展:ICON社

ICON社の次世代型3Dプリンター「Vulcan」 出展:ICON社

ICON社は、本格的な2階建て住宅の製造を可能にするために設計された建設用3Dプリンターの「Vulcan」を開発し、NASAでも採用されている。

アルテミス計画においては、すでにロケットエンジンや月着陸船の開発で3Dプリンターが導入されているが、今回の契約ではさらに一歩踏み込んだ「地球外の素材で建造物を作ること」が目標だ。

今回の契約はICON社の宇宙環境での施工システムコンセプト「Project Olympus」を踏まえたものだ。月の表面を覆うレゴリスという土砂のような物質や岩石といった、月で入手できる資源を用いて建造物を作ることを目指すという。

ICON社の研究開発

ICON社は月や火星で、現地の土砂や岩盤を利用した基地建設を実施するための技術を開発している。今回発表されたNASAとの契約では、ICON社は月の重力下で月の土砂(レゴリス)がどのように振る舞うかをシミュレーションし、さらにアポロ計画で持ち帰った本物のサンプルでの実験もする予定だ。

この研究結果は、着陸パッド、道路などの重要なインフラを含む「将来の月建設アプローチに役立つ」結果をもたらすという。

NASAのジョンソンスペースセンターに設置された3Dプリンタ「Vulcan」 出展:-ICON社

NASAのジョンソンスペースセンターに設置された3Dプリンタ「Vulcan」 出展:-ICON社

NASAはアルテミス計画を通じて、持続可能な地上探査を可能にする地球外の土地開発を望んでいる。つまり、ICON社の3Dプリント月面基地の研究開発は、最終的に熱、放射線、および微小隕石の防護を提供することで「その土地で生活する」努力を促進し、人類が宇宙で文明を育みことができる体制を整えようとしていると言える。

ICON社は、今回のNASAとの契約について、以下のように述べている。
「宇宙探査のパラダイムを「行って帰ってくる」から「滞在する」に変えるには、月や他の惑星の地域資源を利用できる、堅牢で弾力性があり、幅広い能力を持つシステムが必要です。「私たちのこれまでの研究とエンジニアリングによって、そのようなシステムが実際に可能であることが示されたことを嬉しく思っています。」

ShareLabNEWSではこれまで航空宇宙分野における3Dプリンターの活用事例を数多く取り上げてきた。以下のリンクにまとめてあるので、あわせてご覧いただきたい。
https://news.sharelab.jp/category/cases/aerospace/

国内外の3DプリンターおよびAM(アディティブマニュファクチャリング)に関するニュースや最新事例などの情報発信を行っている日本最大級のバーティカルメディアの編集部。

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