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フォード、自律型ロボットで3Dプリントを自律化

米国ミシガン州に本拠を置く自動車メーカー大手フォードは、自動車の最終用途部品を3Dプリントするため、生産ライン内に自律型ロボットの使用を開始した。3Dプリンターを自律的に運用することで、生産効率が高まり、部品コストが削減できるとし、成功への準備と位置付けている。

自律型3Dプリントシステム導入背景

自動車生産を自律化することの意味を改めて考えてみると、3Dプリンターの活用とその自律的運用の意義が見えてくる。

自動車生産にける課題

自動車生産は、2万点を超える多くの部品とその組み立てによる。従来は手作りされていた部品も、多くが自動製造機によって生産されるようになった。その背景には、人件費を削減する形でのコスト競争があり、広い意味での自動化が大きく貢献してきた。一方で、自動化が難しい工程や単純な工程は人件費が安い地域の人の手を借りてきたが人件費の高騰が自動化を後押しする原動力になっている。人件費が高騰する理由の1つが生産人口の減少課題である。また、要求される品質レベルの向上が品質を安定させやすい自動製造機の導入を促している面がある。

3Dプリンター自体が自動化された部品製造装置であるが、できあがった部品や原材料の運搬は人手に頼っているのが現状である。この工程の自動化が完成すると自動車生産は無人化に向かい、照明を必要としないダークファクトリーが実現する。

その自動化には、生産システム全体をコンピュータによってコントロールするセンター制御型とそれぞれの装置がコミュニケーションをとって自律的に作業を進める人間に近い自律型に分けることができるが、3Dプリンターは自律型があっているようだ。

自律型ロボットを活用した3Dプリントシステム導入による効果

3Dプリンターを24時間稼働させても、材料の供給や完成品の取り出し、運搬を行う作業を人手に頼る限り、完全な24時間365日稼働は実現しない。どんなにCarbon社の3Dプリンターが優秀でもその前後の工程と整合できない限りその性能が活かしきれない。3Dプリンターに限らずより優れた仕組みが整いつつあり、それらを有機的に接続して連続した生産システムを完成させる必要があるが、常に微妙な調整が必要な部分があり熟練した技術者が活躍している。この技術者の役割を担うのが自律型のロボットといえる。

この自律型ロボットは、24時間365日稼働できるだけでなく、人間の技術者を遥かに凌ぐ情報処理能力がある。それを支えるのがセンサー技術とそれぞれの装置とのコミュニケーション能力である。このコミュニケーション能力を格段に高めたのがドイツ・アウグスブルクに本社を置くKUKA社の自律型のロボットである。

このKUKA社の自律型ロボットは、フォードの積層造形オペレーターによって”ハビエル”と呼ばれているようだ。こちらの動画でその活躍ぶりを確認していただきたい。

自動車生産にカーボン社製3Dプリンターを導入する理由

注目すべきは、Carbon社の3Dプリンターとフォードの縁が深いことだ。

フォードの経営を立て直した功労者とされる元CEOのアラン・ムーリー氏が、Carbon3Dプリンターのディレクターとして参加している。これにより、Carbon社は早い時期からフォード社の期待に応えてきたようである。つまり、自動車の量産向けニーズを的確に捉えて技術開発を行い3Dプリンターを開発してきたことになる。さらに、Carbon社のCEOがDuPont社のCEO経験者であることから自動車の最終用途部品を3Dプリントするため素材開発から関わっていると考えられる。

「自動車業界は、デジタルファブリケーションの活用に大きな期待を寄せています。Fordとの提携は革新的な技術による新しい生産手段を実現するための一例です」

ELLEN J. KULLMAN Carbon社CEO

もちろん、Carbon社の3Dプリンターだけで「デジタルファブリーケーション」が可能になるわけではなく、各社の良いとこどりをするために、この自律型ロボットの活用が大きな役割を果たすのは間違いないだろう。

関連情報

ShareLab編集部

電機メーカー、デジタル地図ベンダーのソフトウエアエンジニア、サービス企画の経験を経て、コンサルティングファームのメンバーとして自動車会社の開発を支援する。予防医学を学び、幹細胞に興味を持つ。3Dプリンターで自身の車や家を作る時代がくることを夢に見ながら日々執筆に勤しむ。

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