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木質3Dプリントを用いた資源循環型システム「Regenerative Wood」を発表 ― 三菱地所設計社

三菱地所設計本店における「TSUGINOTE TEA HOUSE」展示の様子。

株式会社三菱地所設計は、木粉を利用した木質3Dプリント技術を活用し、資源を循環させる新たな生産システム「Regenerative Wood」を発表した。製材過程で生じる廃棄物を減らすことを目指しており、プロトタイプとして「TSUGINOTE TEA HOUSE」と「Regenerative Wood #1」を展示した。これにより、環境負荷を低減し、持続可能な資源利用を推進する新しい取り組みが始まった。(上部画像は三菱地所設計本店における「TSUGINOTE TEA HOUSE」展示のようす。出典:三菱地所設計社)

「Regenerative Wood」の概要

三菱地所設計社が開発した新たな木質3Dプリント技術を用いた生産システムである「Regenerative Wood」は、製材過程で発生する木粉を材料として再利用し、3Dプリンターで建築素材を生成するものである。木質3Dプリント技術とは、木粉を利用して3Dプリンターで建築素材を作成する技術だ。この技術の特徴として、まず第一に、製材過程で発生する木粉を再利用することで、廃棄物を削減し、資源の有効活用が図られる点が挙げられる。また、3Dプリントによる高精度な製作が可能であり、複雑な形状や高精度な継手を実現することができ、金物を使用せずに組み立てが可能なため、環境に優しい建築が実現できる。木質3Dプリント建築物は、下記のフローで生産される。

木質3Dプリント建築物のフロー(出典:三菱地所設計社)

プロトタイプの紹介

「Regenerative Wood」の技術を実証するプロトタイプとして、「TSUGINOTE TEA HOUSE」と「Regenerative Wood #1」が開発された。「TSUGINOTE TEA HOUSE」は、ジャパン・ハウス(ブラジル・サンパウロ)で開催された展示会や「TOKYO WOOD TOWN 2040」で展示されたものであり、木質3Dプリント技術の実用性と美しさを実証している。小規模な軽量パーツに分割され、少人数での組み立てが可能であるため、施工性にも優れ、「Regenerative Wood #1」は、カウンターやパーテーションとして展示され、木質3Dプリント素材の多様な用途を示している。

「TSUGINOTE TEA HOUSE」を構成するパーツ。
「TSUGINOTE TEA HOUSE」を構成するパーツ。高精度な仕口によりパーツ同士をつなぐ。(出典:三菱地所設計社)
「TOKYO WOOD TOWN 2024」でのカウンター・パーテション「Regenerative Wood #1」の展示。
「TOKYO WOOD TOWN 2024」でのカウンター・パーテション「Regenerative Wood #1」の展示。(出典:三菱地所設計社)

今後の展望と展開

「Regenerative Wood」システムの今後の展望としては、さらなる技術の改良と普及が期待される。現在のプロトタイプを基に、より大規模な建築物や多様な用途への展開が考えられ、他の素材や技術との組み合わせによる新しい応用例の開発も進められており、持続可能な建築の未来を切り開くことが期待されている。さらに、国内外の企業や団体との協力を通じて、この技術を広く普及させることで、グローバルな環境問題への対応にも貢献することが目指されている。

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