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ヨーロッパ初の3Dプリンター製学校がウクライナで建設される ― COBOD

3Dプリンターで小学校を建設するようす/出典:COBOD社

ロシアの侵攻によって被害を受けたウクライナが、復興に向けて3Dプリント技術を活用している。ウクライナの都市リヴィウでは、現地で3Dプリントされた学校が建設された。3Dプリンターで造られる学校はヨーロッパでも初めてのものだ。建設にはデンマークの3DプリンターメーカーCOBOD社の「BOD2」が用いられた。(画像はCOBOD社の3Dプリンターで学校を建設する様子/出典:COBOD社)

3Dプリンターで教育インフラを整える

ウクライナは、ロシアの本格的な侵攻により、2,000校以上の学校が破壊や被害を受け、277校が完全に取り壊されたとウクライナの教育科学省が報告している。

ウクライナの都市リヴィウで始まった教育インフラの復興に向けた学校建設プロジェクトは、人道支援財団Team4UAが主導し、デンマークの3Dプリント建設会社の3DCPグループが同じくデンマークに拠点を置くCOBOD社の3Dプリンター「BOD2」を使用して実施された。

現場で使用されたCOBOD社の3Dプリンター(出典:COBOD社)

COBOD社製の建設用3Dプリンターは、3Dプリンター製建築物としては全高は9.9mと最も高さのある住宅建築に用いられたことでも話題になった。そのニュースについては過去にShareLab NEWSでも詳しく取り上げているので、以下のリンクからご確認いただきたい。

資材は現地で調達、建設は約3日で50%が完了

ウクライナの3Dプリンター製の学校は、既存の学校の敷地内に建設された。平屋建ての校舎の面積は370平方メートル。地域社会の発展のため、建設資材の90%は地元で生産されたものが、3Dプリントに用いるコンクリートの材料の99%は地元で安価に調達されたようだ。

ウクライナ初の、3Dプリントされた学校(出典:COBOD社)

3Dプリンターで学校建設をすることのメリットの一つに、建設スピードの速さが挙げられる。COBOD社によれば、建築開始からわずか3~4日で半分が印刷されたという。

学校やそのほかの教育施設を失うことは、若い世代から貴重な教育の機会を奪い、彼らの将来の展望や国全体の発展に悪影響を及ぼす可能性すらある。そして、復興には時間もコストもかかる。コストを抑えつつ素早い建設が可能な3Dプリンターを使用するのは、最善の策といえるかもしれない。

プロジェクトは今後、建設プロセスに3Dプリント技術を導入することで、教育施設の建設を迅速化し、ウクライナ全土の住宅と重要なインフラの再建の基礎を築くことを目指している。

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今回のニュースに関連するものとして、これまでShareLab NEWSが発表してきた記事の中から2つピックアップして紹介する。ぜひあわせてご覧いただきたい。

国内外の3DプリンターおよびAM(アディティブマニュファクチャリング)に関するニュースや最新事例などの情報発信を行っている日本最大級のバーティカルメディアの編集部。

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