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人間の心臓の鼓動を模倣した構造を3Dプリントする方法が開発される

繊維入りインク(FIGインク)で拍動する3Dプリント心筋

ハーバード大学のJohn A. Paulson School of Engineering and Applied Sciences(SEAS)が主導する研究において、人間の心臓の鼓動を模倣した構造を3Dプリントする新しい方法が開発された。

ハイドロゲルにゼラチン繊維を注入した繊維注入ゲル(FIG)インクを用い、研究チームは、追加のサポート材料を必要とすることなく、心臓心室の3Dモデルを正確にプリントすることができたという。

研究成果は『Nature Materials』誌上で発表された。(上部画像は繊維入りインク(FIGインク)で拍動する3Dプリント心筋。出典:Harvard-SEAS/Springer-Nature/Nature-Materials)

3Dプリントされた心臓モデルが実際の心臓に似た特性を持つ

研究チームが発表した論文によると、ハイドロゲルにゼラチン繊維を加えたFIGインクを用いることによって3Dプリントの過程で繊維が整列。心筋細胞が実際の心臓組織と同様のパターンで組織化されるのを助けるという。繊維が整列すると3Dプリントされた心臓モデルは収縮の仕方や電気の通し方などの点で、実際の心臓に似た特性を示すようになった。

印刷可能なインクに繊維を融合させることで、外部からの支えを必要とせず複雑な3D形状を作成できるようになった点が特に重要な発見だという。

FIGインク成分の模式図
FIGインク成分の模式図(出典:Harvard-SEAS/Springer-Nature/Nature-Materials)

FIGインクは印刷ノズルの中を流れるが、いったん構造体が印刷されると、3D形状を維持する特性がある。この特性のおかげで、余分なサポート材や足場を使うことなく、複雑な3D形状を印刷できるようになった。

これまでも、臓器の構造や機能を再現することで薬剤の安全性や有効性を試験しようとする取り組みはあったものの、心臓を構成する筋肉を収縮させるために電気信号を伝達する心筋細胞を生理学的に適切に並ばせることができなかった。

今回のFIGインクを用いた方法を開発することで、正確な心臓モデルを作成することができた。これは、医学研究や薬物試験だけでなく、将来的な心臓病の治療法に応用できる可能性もある。

研究チームは今後、複数の細胞タイプを導入したり、血管をよりよく模倣したりするなど、さらなる研究によって機能を向上させる予定だという。

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