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AML3Dがオーストラリア海軍向けの軍艦用試作部品を金属3Dプリンターで製作

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BAE Systems Maritime Australia社は、オーストラリア海軍向けに軍艦(ハンター級フリゲート艦)9隻の設計・建造を受注したが、その試作部品を1400社以上のサプライヤーと共同開発している。以前シェアラボでも報じたように、Aurora Labs社とパートナーシップを結び、部品の試作を行ったわけだが、今回取り上げるAML3D社とも同じくハンター級フリーゲート艦の試作を金属3Dプリンターで取り組むようだ。

ワイヤー積層造形方式の金属3Dプリンターによる短納期を武器にするAML3D

AML3Dは、BAE Systems Maritime Australia社のプロジェクトにおけるサプライヤーとして事前認定された1,400社のオーストラリア企業の1つで、金属3Dプリンターの中でも、造形速度と造形できるワークの大きさを重視したワイヤー積層造形技術に強みを持つ。 ワイヤー積層造形方式の金属3Dプリンターで造形された造形物は、豪快な積層痕が表面に残るが、そもそも後加工を前提にしているので、表面性は気にしない。いかに運用が簡単で大きなワークを安く早く作れるかが価値となっている。

AML3Dの金属3Dプリンターは、ロボットアームの先端に肉盛り溶接の機能を取り付けたような外観をしており、すでに取得している業界認定や標準に加え、航空・宇宙・防衛産業の追加要件を規定するAS9100D認定の取得にも注力してきた。本格的に市場開拓を行う準備が着々と整ってきたというところだろう。

AML3DにとってBAE Systems Maritime Australia社からの受注は、2020年10月に開始された商業検証テストプログラムに続くものとなる。後加工を前提として、ニアネットシェイプに仕上げる割り切りが製造現場に受け、注目が集まっているワイヤー積層造形方式の一翼としてオーストラリア海軍のフリーゲート艦開発に食い込んだ形だ。

AML3D社のCEOのRyan Millar氏は、海洋・防衛分野での商業的関係の構築がAML3D社の戦略的成長計画にとって重要であることについて、以下のように述べた。

「WAMテクノロジーが BAE Systems Australia 社のテスト基準を満たすと確信していたので、このプロジェクトを検証試験の段階から進めることができたことを嬉しく思っています。BAE Systems Australia社がオーストラリア海軍と締結したハンター級フリゲート艦の建造契約をサポートする試作部品を提供することは、大きな意義を持つ商業的関係を構築するための新たなステップとなります。特に、BAE Systems Australia社におけるより幅広い造船構想の規模を考えると、なおさらです。」

AS9100D認定の取得などへの取り組みもあって、自信を見せるAML3D。現段階ではあくまで試作品をAM製造するという段階だが、今後検証が進めば、補修や補充用部品の製造に活用も見込まれる。艦艇は数千、数万の部品の集合体でもあり、耐用年数も長い。フリーゲート艦という過酷な運用環境が予想される大型船舶での採用が決まれば、それ自体が大きなビジネスチャンスでもあるが、ほかの船舶での採用にも弾みがつくだろう。資源国であり海洋国でもあるオーストラリアでの存在感をこのプロジェクトを機に強める可能性がある。

「Arcemy」による3Dプリントのイメージ 出典:AML3D社
「Arcemy」による3Dプリントのイメージ 出典:AML3D社

3Dプリンタティング技術は軍事製品の製造をはじめ、戦地での部品製造手段としても活用がすすんでいる。過去にShareLabNEWSが取り上げてきた軍事関連の記事もぜひご覧いただきたい。

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国内外の3DプリンターおよびAM(アディティブマニュファクチャリング)に関するニュースや最新事例などの情報発信を行っている日本最大級のバーティカルメディアの編集部。

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