三菱ケミカル、傘下VC経由でAddiFabに出資
デンマークの3DプリンターメーカーAddiFabは、三菱ケミカルの米国ベンチャーキャピタル部門であるDiamond Edge Ventures、Inc.(DEV)から投資を受けた、と発表した。調達金額は公表していないが、役員も受け入れるという。なお本件に関して日本の三菱ケミカルのサイトでは触れられていない。
AddiFabの3Dプリンタは射出成型機の材料を流用できる
AddiFabは、3Dプリンター、後処理装置、ソフトウェア、および材料を開発しているデンマークの3Dプリンター関連企業。同社の主力プラットフォームであるFIM(フリーフォーム射出成形)は、樹脂3Dプリンターで使い捨ての型をつくり、射出成型をおこうなう手法。 従来の射出成形ではできなかった複雑形状を実現できる上、素材も流用できる。
FIMでゴム、熱可塑性プラスチック、セラミック、超硬合金の加工が可能で、互換性のある材料として検証された積層材量のリストは毎週増えているという。すでに三菱化学の幅広い高性能ポリマーは、FIM™の認定を受けているとのこと。
シナジーが期待できる出資。今後に期待。
豊田合成の京都の3Dプリンターエーカー「エス.ラボ」出資など、化学系メーカーの資金をともなった提携には体力面、営業面で足腰が弱いベンチャー企業にはもちろん有益だが、営業・マーケティング面での協力のほうがより効果的な印象がある。上流としての3Dプリンター新興企業への出資は理にかなっている動きのように見える。実業でのシナジーがある投資は双方にとって成長のチャンス。今後日本の展示会でもAddiFabの実機をみる機会もでてくるかもしれない。
2019年のシェアラボニュース創刊以来、国内AM関係者200名以上にインタビューを実施。3Dプリンティング技術と共に日本の製造業が変わる瞬間をお伝えしていきます。