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デスクトップメタルが新規ブランド「ETEC」を発表することの狙いとは?

大手3DプリンターメーカーDesktop Metal(以下、デスクトップメタル)は、AM 2.0を志向した新規ブランドETECの設立を発表した。ETECブランドは2021年に買収したEnvisionTECをリブランドしたもので、社名とともにロゴも変更されている。

今回はデスクトップメタルの新たなブランド「ETEC」の狙いと今後の展開、そして企業としての3Dプリンター戦略についてご紹介する。

デスクトップメタルの3Dプリンター戦略

デスクトップメタルは、システムとして3Dプリンターを売り出すことを特徴とする大手3Dプリンターメーカーだ。この販売戦略は大きな成功を収めた。

近年、その攻勢はすさまじく、様々な企業の買収を行っている。7,500万ドルでExOneを買収したことは記憶に新しい。

デスクトップメタルがExOneを約634億円で買収

デスクトップメタルは、製造業向けの新しい3D造形ブランド 「ETEC」の立ち上げを開始した。また、ブランド名と同じ名前を冠する新しい子会社の設立も始めている。

デスクトップメタルは、2021年に3DプリンターメーカーEnvisionTECを買収。ETECはEnvisionTECの資産を元にしている。EnvisionTECは、独自の光加工技術「デジタル光処理3Dプリンター」を発明した企業だ。130以上の特許、190以上の出願中特許を有し、強力な知的財産ポートフォリオが特徴であった。

ETECロゴ/樹脂がデジタル投光器によって様々な物に変化していく様子を表現している(出典:デスクトップメタル)

新ブランド「ETEC」の狙い

ETEC の立ち上げ発表に際し、デスクトップメタルの創業者兼CEOであるRic Fulopは、「将来的なAdditive Manufacturing 2.0(AM 2.0)の実現に資することだ」と述べた。ETECの設立はAM 2.0の実現と関係があるようだ。

AM 2.0とは、デスクトップメタルが提唱する概念であり、「3Dプリント事業の多分野展開期」を意味する。

3Dプリンター黎明期(AM 1.0)では、3Dプリンターによる製造スピードや、コスト、利用できる材料に大きな制限があった。このため、少量生産や、航空機事業、医療分野など、3Dプリントが活用できる分野がニッチ領域に限られていた。

これからの3Dプリンター(AM2.0)では、多量生産能力を有し、コストを抑えて使いやすさを高めることで、より幅広い分野での活用が期待される。これまでには考えられなかった分野でも 3Dプリンターの活用が広まり、爆発的に供給が増える可能性もある。

AM 2.0 の実現に向け、デスクトップメタルが最重要視しているのは「統合」だ。3Dプリンターが、専門知識が必要なニッチ産業から脱却するためには、3Dプリンターに関する技術、材料、アプリケーション、ソフトウェアが統合された状態で顧客に提供されなければならない。これにより、顧客は生産性を高めつつ、高い設計柔軟性を手に入れられる。

ETECは、EnvisionTECが培ってきた技術を、デスクトップメタルのシステムで統合することで、より広範な展開を目指す。従来のニッチ少量生産ではなく、デジタル大量生産に関心のある顧客を取り込む狙いだ。

ETECの今後の展開

デスクトップメタルは、必要な技術を吸収し、自身のシステムの中に統合していく。ExOneもその一例だ。他にも、材料屋(Aerosint)や、流体制御用金属部品メーカー(Aidro)を買収している。

樹脂メーカーAdaptive3DとETECのコラボレーションでは、3Dプリンターでミッドソールを作った。このミッドソールの材料は、Adaptive3Dの生産する弾性タフゴムETR90だ。光硬化性を持つETR90は市場最高レベルの引張強度を持つ。高い設計自由度を有する弾性構造体の需要は大きい。

デスクトップメタルが技術を吸収し、自社システムの中に統合していくことで、ETECは更に多角化していく。高い汎用性能を備えた ETECブランドは、今後、益々多くの産業分野に浸透していくことだろう。

 Adaptive3D のエラストマー ETR90 を材料として作成された靴の、黒いミッドソール
Adaptive3D のエラストマー ETR90 を材料としたミッドソール(出典:デスクトップメタル)

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