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P&Gジャパン、東京2020オリンピックで使われる3Dプリント製の表彰台を発表

国際オリンピック委員会(IOC)のワールドワイドオリンピックパートナーおよび東京2020パラリンピックのゴールドパートナーであるP&Gジャパンは、事業協力者として参画した「使い捨てプラスチックを再生利用した表彰台プロジェクト~みんなの表彰台プロジェクト~」において、使用済みプラスチック容器からリサイクルされた材料と3Dプリント技術を用いて製作された、東京2020大会の表彰台を発表した。
(写真は3Dプリンターで作られた東京2020オリンピックの表彰台/TOKYO2020より引用)

東京2020大会初。使い捨てプラスチックを再利用した表彰台の製作背景

P&Gグループは、東京2020大会の持続可能性のコンセプトである「Be better, together/より良い未来へ、ともに進もう。」に賛同し、使用済みプラスチック容器を消費者から回収し、東京2020大会の表彰台に再生利用した。

“オリンピック・パラリンピック史上初の試み”として、市民参加型の「使い捨てプラスチックを再生利用した表彰台プロジェクト~みんなの表彰台プロジェクト~」(以下、みんなの表彰台プロジェクト)で全国から回収された使用済みプラスチックを再生利用し、3Dプリンターを始めとするデジタル製造技術によって表彰台が製作された。

「みんなの表彰台プロジェクト」学校回収の様子 ※出典:P&Gジャパン [クリックで拡大]
学校での回収の様子(P&Gジャパン公式サイトより引用)

2019年6月より、全国のイオングループ約2000店舗でプロジェクトを開始。その後は、全国113の学校にて実施が進み、約9ヶ月で表彰台全98台の製作に必要なプラスチック24.5トンを回収した。みんなの表彰台プロジェクトで回収された使用済みプラスチックは、海洋プラスチック(0.5t)と合わせてリサイクルプラスチックとして再生され、ペレット状にしたものを表彰台の材料として使用した。

「組市松紋」を立体化した側面デザイン
五輪マークなどのシンボルを象る金属素材には、東日本大震災の被災地に建てられた仮設住宅のアルミ廃材を再利用されている(P&Gジャパン公式サイトより引用)

3Dプリンターを活用し、東京2020エンブレムのベースとなった「組市松紋」を再現

表彰台のデザインは、東京2020エンブレムのデザインを手掛けた野老朝雄氏が担当。みんなの表彰台プロジェクトでは、P&GグループのP&Gジャパンが事業協力者として参画した。野老氏がデザインした表彰台は、東京2020エンブレムのデザインコンセプトである「組市松紋」を再現している。3Dプリンターで出力した「組市松紋」のパーツを組み合わせた立方体(キューブブロック)を連結して構成されており、台の側面にも立体化した「組市松紋」がみられることが特徴的だ。

ベースとなった東京2020エンブレムのデザインから3Dプリンターを活用した立体造形までの製作過程では、総括として慶應義塾大学 環境情報学部 教授の田中浩也氏が、プロジェクトマネジャー兼ディレクターとして平本知樹氏が率いる製作チームが全面協力し、同大会に必要な全98台の表彰台を作り上げた。

こちらは田中浩也氏がYouTubeにアップしたコンセプトムービー「HARMONISED CHEQUERED PODIUM」。3Dプリンターによるパーツ造形の様子が公開されている。

普通だったら表彰台は何かにラッピングするという形も多いと思いますが、今回は柄をあしらうのではなく、理念としてキューブがあり、それ自体が構造になっています。直行軸が主だった僕の設計手法が、天才チームがいかに3Dプリントに持っていくかを考え、フル稼働して作ってくれました。
また、色の表現(藍色)はすごく努力したところです。材料配分、フィラー(充填材)の研究等を通し、プリントではなしえなかった見え方になっています。光の加減で見え方が変わる。プールのような水が反射する近くだったらどう見えるんだろう、馬事公苑のような屋外ではどう見えるんだろう。表彰台は足元にあり目立たないものですが、その存在感に気づいてくださるアスリートの方がいたらいいなと思っています。

インタビュー内、野老朝雄氏によるコメントを一部抜粋

光の加減で見え方が変わる複雑な造形は、3Dプリンターならではの特徴を活かした造形である。また、このキューブブロックをつなぎ合わせることで、表彰台の大きさ、広さを自由にカスタマイズすることができる。そのため、複数人が表彰される競技にも対応した秀逸なデザインである。

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シェアラボ編集部 | + posts

3Dプリンターの繊細で創造性豊かなところに惹かれます。そんな3Dプリンターの可能性や魅力を少しでも多くの人に伝えられるような執筆を心がけています。

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