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今注目の「バンライフ」を体験出来る「移動するホテル」とは―AM技術が使われたキャンピングカーに迫る

東京を拠点とするDream Driveは、手頃な価格で日本を旅するための新しい方法を生み出している今注目の企業だ。同社が販売するキャンピングカーの車内宿泊すらも楽しめる快適さは、まさに「移動するホテル」のよう。

今回は、同キャンピングカーにShareLab編集部でも度々取り上げてきた3Dプリンティングコーポレーション社のAM技術が用いられているということで、Dream Drive社の紹介と合わせて、AM技術の活用実態をご紹介する。(写真は、Dream Drive公式Webサイトより引用)

(動画は、Dream Drive公式YouTubeアカウントより引用)

Dream Drive社製キャンピングカー

概要と特徴

従来の大型キャンピングカーとは違い、「運転のしやすさ」や「駐車場の見つけやすさ」など、現代的なトラベルニーズに合わせてカスタムされたのが、Dream Drive社ミニバンの特徴だ。自由気儘な旅を楽しみたい全ての旅行者に、理想的な移動式宿泊スペースを提供する。

昨今、新世代のライフスタイルとして注目を集める「バンライフ」 を体験する絶好の機会であり、観光ガイドに載らない日本の魅力を発見出来る可能性を秘めている。一人旅、カップル、家族や友人との旅行など、目的に合った最高の一台を選ぶことが可能となっている。

Dream Drive社製キャンピングカーの内装
Dream Drive社製キャンピングカーの内装。まさに「移動するホテル」。
(写真は、Dream Drive公式Webサイトより引用)

Dream Drive社の創業経緯

Dream Driveの共同創業者であるJared Campion(ジャレッド・カンピオン)さんは、かつて日本を家族で旅行した時に、大変な苦労を経験したそうだ。
子供を連れて、荷物を抱えて、新幹線に乗って……国内を旅行する日本人なら、誰でも心当たりがありそうな話ではないだろうか。
そこで、キャンピングカーなら重い荷物を持たず、快適に旅行出来そうだと思い立ったのが始まりだそうだ。

Dream Drive社の看板
(写真は、Dream Drive公式Webサイトより引用)

私たちの目標は、人々の旅の仕方を変えることです 。「私たちは、車の中に豪華なホテルのような空間を実現します。『移動するホテル』を実現することで、より快適に日本を旅行できるようにしたいのです

Dream Driveの共同創業者、Jared Campion(ジャレッド・カンピオン)氏

車の外側と内側のフレームをつなぐパーツを3Dプリンター造形

AM技術を用いた経緯

そんなDream Driveが提供する中古のバン(キャンピングカー)は、一台一台丁寧にリノベーションされている。車内はすべて手作りでカスタマイズされ、例えば、内壁をぬくもりの感じられる木で差し替えるなどの工夫が凝らされている。

しかし、これらのカスタマイズされたパーツは、ひとつ完成させるのに数時間、時には数日かかることもあり、大型のバンともなれば、さらなる時間が必要となる。一台のキャンピングカーを完成させるためには、実に3週間ほどの作業が必要となっていたのがその実態だ。

また単純に人手が足りていないわけではなく、一筋縄ではいかない工程が大きな行き詰まりを生んでいた。それが、車の外側と内側のフレームをつなぐパーツの製造だ。

特に苦労していたのは、この車の外側と内側のフレームをつなぐ部分のパーツです。上に向かうにつれ、少しずつカーブを描いています。このような複雑な角度にフィットする、完璧な曲率の木材を彫るのには16時間もかかっていたんです

Dream Drive 共同創業者 Jared Campion(ジャレッド・カンピオン)氏
完成したパーツとJared氏
完成したパーツとJared氏(写真は、Dream Drive公式Webサイトより引用)

Jared氏は、極端に手間のかかるこの問題に対し、効率的でかつ手軽な価格の解決策を見つけたいと考えていた。そこで声をかけたのが、3D Printing Corporation社ということだ。

3D Printing Corporation社は、車内を光学的にスキャンすることによって、まず三次元的なデータを取得。次に、CADソフトウェアを使用して、スキャンデータに基づいたモデルを設計。正確な寸法を作成して、車両の形状に完全に一致するようなパーツを3Dプリンターで造形した。

「早速、第一号となるパーツを3Dプリントしてくれました。大幅な時間の短縮です。ここから少し調整を加えれば、バンの一部のようにぴったりなパーツになるでしょう」と、Jared氏は3Dプリティングの活用による工数削減を好評価している。

光学的スキャンの様子
光学的スキャン(内部構造に光を当て、反射から三次元情報を取得する)の様子(写真は、Dream Drive公式Webサイトより引用)
3Dモデリングの風景

今回のコラボレーションで、3Dプリンティングなどの技術を活用することは、Dream Driveの新しい方向性であり、多くの可能性を開くことがわかりました。私たちは新しい車――新しい形やアイデアを構築していきます。今後も、3D Printing Corporation社と事業を進めていくことを楽しみにしています。

Dream Drive 共同創業者 Jared Campion(ジャレッド・カンピオン)氏

その他車種・料金体系など

気になる車種、料金については、同社サイトによると10車種から、一泊10,900~20,000円の選ぶことが可能なようだ。その他、乗車定員、装備・アメニティなどさまざまなオプションにも違いがあるので、気になった方はぜひ詳細を見ていただきたい。

Dream Drive カタログページ

またレンタル期間中の走行距離は無制限、GPSを利用したオンデマンドのカスタマーサポート(日本語と英語に対応、24時間)やタオルなどの生活必需品も通常料金に含まれている。車両の貸し出しは、新宿駅から30分(駅からの徒歩を含む)の狛江ピックアップセンターにて。また同社のサービスは、カーボン・オフセット制度が活用されており、収益の一部が森林保全活動資金としてOffset Earthに寄付される。


今回は車のカスタムパーツにAM技術が用いられていた事例を紹介した。コロナ禍で海外旅行者は激減したものの段階的に渡航者の受け入れも進み、いずれはインバウンドも活気を取り戻すと思われる。国内におけるGo To トラベルキャンペーンの活発な利用に見られるよう、今後復活すると思われる観光業の動向を見ると、公共交通機関よりも容易にソーシャルディスタンスを保つことができる車での移動は、この時代に適していると言えるだろう。Dream Drive社のようなバンを利用した旅行のスタイルは、今後の新たな観光スタイルにもマッチしたサービスなのではないだろうか。

またAMという視点では、活用が比較的に進んでいる自動車業界かつカスタム少量生産車が特徴的な事例であった。外側と内側のフレームをつなぐ接合部という点では、建築物の接合部は、建築物全体のデザインの自由度が高まれば高まるほど接合部の造形難易度も上がり従来の方法では間に合わないケースも出てくるだろう。今後、このようなケースでもAM技術が用いられていくだろう。引き続き注目していく。


「3Dプリンティングコーポレーション」をもっと知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

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