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男子の夢、EOS社などの3Dプリンターでライトセーバーを作る!気になる制作過程は?

ジェームズ・ホブソン氏が運営しており、1,000万人を超える登録者数を持つ人気YouTubeチャンネルthe Hacksmithにて、映画スター・ウオーズシリーズで用いられているライトセーバーを金属3Dプリンターを用いて制作した動画「原題:3000° Kylo Ren Lightsaber! (+ GIVEAWAY!)」が公開された。10月に公開されてから、11月時点で(執筆時は、11/6)18万以上の高評価が付いており、人気動画となっている。

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the Hacksmithの3000° Kylo Ren Lightsaber! (+ GIVEAWAY!)。
金属3Dプリンターを用いてライトセーバーを制作した動画が公開された。

今回はそのライトセーバーの柄のパーツにEOS社などの金属3Dプリンターが用いられているということで、気になるその制作過程を紹介する。

ライトセーバーの概要

ライトセーバーのブレード部分の実現方式

ホブソン氏はライトセーバーを既に3年前から作り続けてきており、改良を繰り返してきた。(地元の消防車を呼んでしまったことも!)同ライトセーバーは、ブレード部分に熱を持たせるため20キロワットの電力を走らせている。しかし、この部分が上手く行かず、失敗を重ねてきたという。改良の結果、熱に強い金属であるタングステンをコア部分に用いつつ、チタンシェルをその上に被せるという方法に辿り着いたとのこと。タングステンの高い融点を活かしたこの方法により、ブレードとしての形はさながら本物のライトセーバーのように保っていられるようになった。

ブレード部分の原理。同氏のライトセーバーは熱に強い金属であるタングステンをコア部分に用いつつ、チタンシェルをその上に被せている(the Hacksmith動画より)

制作過程および使用された金属3Dプリンター

発想の起点として、ライトセーバー制作プロジェクトの中で既に一つのレーザー部分を備えたライトセーバーはできあがっていたので、3つのレーザー部分を持つライトセーバーも当然できるのではないか、と思ったことが発端だったと言う。早速デザインをSolidworksのCADツールで制作し、EOS社RENISHOW社の3Dプリンターで柄のパーツを作っていったという。

RENISHOW社の金属3Dプリンター「RenAM 500Q」は、マルチレーザーAMシステムと呼ばれており、4つの高出力500Wレーザーが搭載、それぞれがパウダーベッドの表面全体に同時にアクセスすることができる優れものだ。また粉体および廃棄物処理の自動化システムという一貫したプロセス品質を実現し、オペレーターの介入時間を短縮、システムの高い安全性を確保するシステムも備えられている。

同金属3DプリンターメーカーであるRENISHOW社のオフィスは、the Hacksmithの活動拠点であるカナダのオンタリオ州キッチナーにあるため、彼はそこに出向き実際の出力の様子なども動画にて公開している。金属3Dプリンター「RenAM 500Q」はグローブボックスと呼ばれる小型の箱がマシン内部にあり、外部からの操作が求められる。パウダーを取り除く際には、備え付けの手袋を使ってグローブボックス内で作業する姿が見て取れた。また材料であるメタルパウダー取り扱いの際には危険性が高いため、造形から出力、その後の研磨作業など全て窓越しで行われた。

動画内では、柄の大部分を占めるのが、鉄の2倍・アルミの3倍の強度を持つチタンであったため、その加工に苦労している様子が見て取れる。例えばデザイン制作の段階では、3Dプリンターで出力したサポート材を取り除く必要があり、機械を用いてチタンを仕上げる際にも、チタンが硬すぎるため上手くドリルが動かずパーツを少し削り取って(破壊して)しまう場面も見られた。

RENISHOW社3Dプリンターで制作した造形直後の柄のパーツ(the Hacksmith動画より)
EOS社3Dプリンターで制作した柄に内蔵されている銅製パーツ(the Hacksmith動画より)

完成したライトセーバーはスター・ウオーズシリーズ作中に出てきた本物と見間違えるほどの出来映えである。実際、写真のように熱を持たせ続けるためには、バッテリーを持ち運ぶ必要があるが、動画内では風船を割ったり、ドアを思いのままに切り裂く様子など同ライトセーバーの本格さを感じられた。

完成したライトセーバー(the Hacksmith動画より)

ジェームズ・ホブソン氏、別名the Hacksmithについて

Hacksmith Entertainment Ltd. の創設者であり CEO であるジェームズ・ホブソン氏は、2016年に射出成型機の設計などを行うエンジニアとしてフルタイムで働いていた仕事を辞め、YouTube専業会社を設立。現在、カナダの首都オンタリオ州キッチナーに13,000平方フィートの生産施設を持ち、12人以上のフルタイムの従業員と共に、YouTubeで1日数百万回の視聴を得るものづくり番組を制作している。電子部品の設計、3Dプリンター、切削、溶接などさまざまな技術を駆使し、映画やアニメの世界の近未来的な装備を実際につくる世界最大級の技術系 YouTube チャンネル「the Hacksmith」を運営し人気を博している。

特にMake It Real のビデオシリーズでは、世界中の若者に科学、技術、工学、数学(STEM)の分野に興味を持ってもらうために、映画、コミック、ビデオゲームなどの架空のアイデアを実際の試作品に変えているが、こうした子供や大人を魅了するアイディアをきわめて製造業的なアプローチで実際に形にしていくものづくりのプロセスには、製造業が苦手とするブランディング観点から注目があつまり、フォーチューン500に名を連ねる企業からのスポンサードが後を絶たないようだ。日本でも工業系Youtuberが少しづつ増え、以前は数万円の参加費を必要としたような「電気自動車のモーターを分解してみた」というようなアプローチの番組も増えている為、技術に自信がある製造業の方は、マーケティング・ブランディング手法として取り入れることも検討してみてはいかがだろうか。

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シェアラボ編集部 | + posts

3Dプリンタ―の”先進っぽさ”を感じさせる作りに男心をくすぐられる毎日。さまざまな業界にて活用されるアディティブ・マニュファクチャリングの今をお届けします!最近のニュースは、鳥を飼い始めたこと。

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