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世界最先端の金属3Dプリンター用造形品質モニタリングシステム国内導入開始 ― 大陽日酸

「Fringe Inspection」のパターン投影[金属3Dプリンター内]

日本酸素ホールディングスグループの日本産業ガス事業を担う大陽日酸株式会社(東京都品川区、以下、大陽日酸)は、Phase3D社(米国イリノイ州)が開発した金属AM向け造形品質モニタリングシステム「Fringe Inspection」の国内販売に向けた契約を締結した。日本市場では特に高い品質管理が求められることから、当社は本システムをAM分野における必須のソリューションとして提案し、ものづくりの現場における品質保証の向上に貢献する方針である。(上部画像は「Fringe Inspection」のパターン投影[金属3Dプリンター内]出典:大陽日酸)

リアルタイムで異常を検出する

Phase3D社は、金属AMにおける欠陥検査のための造形品質モニタリングシステムを開発している。同社製の「Fringe Inspection」は、パターン投影(縞模様)を利用し、Laser Powder Bed Fusion(LPBF)方式およびBinder Jetting方式の各層(造形層および粉末層)をミクロン単位の精度で測定可能なシステムである。従来、造形後に実施していた品質管理を造形プロセス中に行うことができるため、リアルタイムで異常を検出し、造形品質の向上を図ることができる。

既存の3Dプリンターに後付け可能な高精度モニタリングシステム

本システムは、パターン投影用プロジェクターと読込用カメラで構成されており、既存の3Dプリンターに後付けすることが可能である。そのため、すでに3Dプリンターを導入し、部品製造を行っている企業においても、新たな品質管理ツールとして活用できる。特に、航空宇宙、医療、防衛といった高品質が求められる分野において、大きな効果を発揮すると考えられる。当社は本システムの日本市場への投入を通じ、金属AM事業のさらなる拡大を推進する方針である。

大陽日酸とは

大陽日酸は、日本国内における産業ガス事業を担う中核企業である。産業ガスの製造・供給をはじめ、各種ガス関連装置・システムの開発・販売を手掛けている。特に、酸素、窒素、水素、アルゴンなどの工業用ガスの供給に強みを持ち、半導体・電子部品、鉄鋼、化学、医療といった多様な産業分野に貢献している。

また、金属3Dプリンターの導入からメンテナンス、さらにはガス関連機器の提供に至るまで、一貫したソリューションを展開している。世界各国から厳選した最新の金属3Dプリンターを取り揃え、顧客の多様なニーズに対応する体制を整えている。取り扱う製品には、高精度かつ自由度の高い造形が可能なVelo3D社(アメリカ合衆国 カリフォルニア州)のPBF方式、高出力レーザーを搭載し高速かつ大型造形を実現するADDiTEC社(アメリカ合衆国 フロリダ州)のレーザーWAAM方式、アーク溶接技術を活用して同様に高速かつ大型造形を可能とするGefertec社(ドイツ ベルリン)のWAAM方式、安全性と操作性に優れ、金属3Dプリンターの入門機として適したRapidia社(カナダ ブリティッシュコロンビア州)のMPD方式などが含まれる。

日本市場における金属3Dプリンターの普及を推進し、より多くの企業が導入しやすい環境を整えることを目指している。また、110年以上の歴史を持つ工業ガス分野のリーディングカンパニーとして、製造プロセスにおいて不可欠な最適なガスを提供することで、金属3Dプリンティングの全体的なソリューションを強化し、ものづくりの現場を支えている。

Phase3D社とは

Phase3D社は、金属AMにおける品質管理技術の開発に特化しており、特に造形プロセス中のリアルタイムモニタリング技術に強みを持つ。「Fringe Inspection」は本記事にも登場する代表的な製品だ。また、航空宇宙、医療、防衛といった高品質な部品製造が求められる分野を主なターゲット市場としており、今後もAM分野における品質保証技術のさらなる発展を目指している。

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国内外の3DプリンターおよびAM(アディティブマニュファクチャリング)に関するニュースや最新事例などの情報発信を行っている日本最大級のバーティカルメディアの編集部。

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