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EOS社 石油・ガス業界、半導体業界向けに2種の新金属材料発売

EOS社は、2025年3月6日に2つの新しい金属アディティブ・マニュファクチャリング(AM)材料であるEOS ニッケル合金IN718 APIおよびEOS ニッケル NiCPの提供開始を発表した。どちらも、EOS レーザーパウダーベッド フュージョン(L-PBF)3Dプリンティング技術に優れたパフォーマンスと部品特性をもたらす。(文中画像はEOS社プレスセンターサイト プレスリリース出典:EOS社)

EOSについて

EOS(本社 ドイツ)は、産業用3Dプリンティング向けの責任ある製造ソリューションの大手サプライヤーだ。1989 年以来、樹脂・金属材料を使った3Dプリンター装置を製造販売するほかに、戦略から教育、生産まで、専門家の支援、技術、サービスを提供することによって顧客の革新と差別化を実現し、AM活用を通じた製造業の未来を切り開いてきた。

2種の新金属材料を投入 産業用3Dプリンティングソリューションを拡充

EOSは石油・ガス業界および半導体業界向けに新たな下記2種の金属材料を投入し、産業用3Dプリンティングソリューションを拡充する。

EOSニッケル合金IN718 API-高強度、耐腐食性、アメリカ石油協会(API)準拠

API 6ACRA標準要件を満たし、高性能の石油・ガス用途に最適。このニッケルベースの材料は、低温環境下での高い耐衝撃性と優れた耐食性を兼ね備えており、高負荷がかかる石油・ガス用途に適している。引張強度878MPa、伸び27%を有する本材料は、特定の熱処理を施すことでAPI 6ACRA規格の要件を満たし、石油・ガス業界におけるAMの適用範囲を拡大する。これにより、本材料は掘削コンポーネント、インジェクションシステム、治具、およびファスナー用途などでの利用が可能となる。

EOSニッケル合金IN718 API造形品例

先進的な流入制御技術を持つ企業が、EOSニッケル合金IN718 APIの初期テストケースを実施。API規格に適合し、高強度性能を備えたフローモジュールコンポーネントを製造し、石油・ガス設備の腐食環境下での耐性を実証した。

アディティブ・マニュファクチャリングはこれまで、石油・ガス業界の厳格な要件により、高負荷が求められるダウンホール用途に適用するのが困難でした。しかし、EOSニッケル合金IN718 APIの開発により、当社の製造ニーズにおいて産業用3Dプリンティングのビジネスケースを評価できるようになり、部品性能のあらゆる側面を維持しながら活用の可能性を探ることができます。

流入制御技術を手がける顧客のコメント

EOS ニッケル NiCP– 高い延性と耐腐食性を備えた商業用純度99%のニッケル

ニッケルの純度、耐腐食性、延性が求められる半導体および化学用途、特に半導体設備内のガスインジェクターや耐腐食性コンポーネントなどの用途に最適。この材料は、400 MPaの引張強度と49%の伸び率を実現している。

半導体製造装置業界における従来の製造方法による部品は、化学的に過酷な環境での耐食性を高めるために、無電解ニッケルメッキを施すことが一般的である。この材料により部品はすべてEOS ニッケル NiCPで製造できるため、メッキの必要がなくなり、消耗品の寿命が延びる。

EOS ニッケル NiCP造形品例(部分カットモデル)

アディティブ・マニュファクチャリングでこれらの部品を製造することで、メーカーは機械の稼働時間と可用性を最大化でき、その結果、ウェーハ製造プロセスの全体的なスループットが向上し、エンドユーザーの収益にメリットをもたらします。有害廃棄物を生成する電気メッキプロセスを排除することで、将来に向けてよりクリーンで持続可能な製造プロセスが実現できます。

EOS 製品スペシャリスト Sophia Heyl 氏

EOS ニッケル NiCPはすでに生産現場で導入されており、その信頼性と性能が実証されています。この製品をより幅広く利用できるようにすることで、当社は半導体業界との関わりを強化し、革新的な材料とプロセスを通じて半導体業界のアプリケーションを進化させるという取り組みを続けています。当社は、NiCPを活用したアディティブ・マニュファクチャリングの可能性をさらに広げるために、パートナーの皆様と協力できることを楽しみにしています。

EOS 金属技術担当ディレクター Dr. Ankit Saharan

EOSニッケル合金IN718 API は、標準のEOS IN718パラメータを備えたすべての金属用EOS システムで使用できる。EOS ニッケル NiCPは現在、EOS M 290およびEOS M 400-4システム用に販売される。この2つの新材料により、これまで活用が難しかった環境下や用途にも、金属AM部品が使える可能性が広がり、最適形状設計を含め、国内の石油・ガスおよび半導体製造製造装置産業にもAM活用が広がり、産業技術発展に貢献していくことを期待したい。

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設計者からAMソフトウエア・装置販売ビジネスに20年以上携わった経験と人脈を基に、AMに関わるみなさんに役立つ情報とつながりをお届けしていきます。

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