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テクニカルセラミックスの自動3Dプリント生産ラインを提供

3DCeram Sinto社の3Dプリンター「C1000-FLEXMATIC」

フランスを拠点とするセラミックス3Dプリント関連企業である3DCeram Sinto社は、3Dプリント技術によりテクニカルセラミックスの3Dプリンティングプロセスと、生成過程でCO₂を排出しないグリーン水素の製造を自動化している。 これにより効率が大幅に向上し、生産コストが削減され、さまざまな産業分野での新しい活用が期待されている。

テクニカルセラミックスの生産では、紫外線硬化樹脂を材料に、樹脂素材の光造形方式の3Dプリンターが用いられている。造形後にモデルからサポート材を外す必要がない特徴を活かして3Dプリントの自動化を可能にしているという。(上部画像は3DCeram Sinto社の3Dプリンター「C1000 FLEXMATIC」。出典:3DCeram Sinto社)

工業生産に用いられる3Dプリンター

自動化とデジタル化は、3Dプリントにおいてますます重要になってきており、3DCeram Sinto社は、より良く、より速く、より安価な生産を目指している。実際、3Dプリント技術を採用する産業はますます増えており、3Dプリンターは高い可能性を秘めた産業ツールとなってきた。かつては試作品を作製するためのツールとして考えられていた3Dプリンターは、現在では生産ツールとして見なされるようになってきている。

3DCeram Sinto社は、自動化された生産ラインに組み込むことができ、工業生産用途に適した大判3Dプリンターの「C3600 ULTIMATE」や「C1000 FLEXMATIC」を含む一連の3Dプリンターを提供している。

自動生産ラインのイメージ
自動生産ラインのイメージ(出典:3DCeram Sinto社)

3DCeram Sinto社が提供する自動生産ラインでは、設計から部品の焼成までのすべての段階を、人間の直接介入を最小限に抑えて処理できるという。

EUの主要プログラムに活用される3DCeram社の3Dプリント技術

3DCeram Sinto社の3Dプリント技術は、研究とイノベーションのためのEUの主要プログラム「Horizon Europe」のうちの1つ「HyP3D」にも採用されている。これは先進セラミックスの3Dプリントを使用して高圧水素の生成を可能にする固体酸化物電解セル(SOEC)技術を進歩させるプロジェクトだ。固体酸化物電解セル(SOEC)技術とは水蒸気の電気分解で水素をつくる技術のことで、エネルギー変換効率が良く、ランニングコスト(電気代)が抑えられるとして注目されている。

大気圧の中でしか行えなかった「HyP3D」は、圧力容器や筐体を必要としない画期的な方法の開発を目指し、その技術開発に3DCeram Sinto社の3Dプリント技術が用いられている。コスト効率の良い水素製造は、ガス・グリッドへの注入や、水素補給ステーションの場合のような高圧水素貯蔵などの応用へつながる。3Dプリントが環境保護に寄与する技術として世界的に認知されている表れだ。


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