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BfullがVoxelDance社の3Dプリンター向けオール・イン・ワンAM用ソフトウェア「VoxelDance Additive Ultimate」の販売を開始

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光造形3Dプリンティング技術を活かしてフィギュアなどの少量多品種生産で実績を持つ株式会社Bfullが、中国上海に本社を置く3Dプリンティング/Additive Manufacturing関連ソフトウェア企業 VoxelDance(ボクセルダンス)社(中国 上海市)とソフトウェア販売の販売代理店契約を締結し、3Dプリンタ向けオール・イン・ワンAM用ソフトウェア「VoxelDance Additive Ultimate」の販売を開始する。Bfullは、製造業向け装置販売やソフトウェア販売を本格化させている。

AM用ソフトウェア VoxelDance Additive Ultimate

産業用3Dプリンターを活用するには、3Dプリンタ用にデータを変換するAM用ソフトウェアが必要だ。しかしその選択肢は非常に少なく、機器付属のソフトウェアか、年間数百万円の費用が掛かるAM用ソフトウェアの2択しか存在しなかった。3Dプリンター付属のAMソフトウェアには、データの正しい変換、効率のよい配置、スムーズなサポート設置などの面で必要十分な機能が備わっていない場合もある。機能面で不足を感じた際に、年間契約で数百万円の専用ソフトウェア費用を捻出しなければ、高度な活用ができないという現状があった。

このソフトウェアは SLS方式/SLA方式/SLM方式に対応しており、広範な造形をカバーできるという。 Bfullは2022年からVoxelDance Additiveを導入し、自社で受託している3Dプリンターを活用した量産案件で実績をあげてきたという。Bfullでは国内の3Dプリンターを扱う販売店や各メーカー向けにもソフトウェアの販売を行い、2023年4月までに50本以上の販売を見込むとしている。

ライセンスは永続型、コストは約1/7のAMソフトウェア

「VoxelDance Additive Ultimate」は、同機能の産業用ソフトウェアの約1/7の価格で、契約更新が不要な永続ライセンス型を取る。高額な各種オプション+年間更新料金が掛かるのが常識であった産業用3DプリンタのAM用ソフトウェアの新たな選択肢を目指す。シンプルで使いやすいUIとラティス構造やシュミレーション・ネスターなど、他ソフトウェアでは追加費用が必要となる応用機能もVoxelDANCE Additive Ultimateは基本価格に含んでいるという。VoxelDance Additive Ultimateは航空宇宙、医療、自動車、金型、履物、歯科、教育、宝飾品、プロトタイプなど数多くの業界のニーズを実現するために最適化されているとのことだ。

「VoxelDance Additive Ultimate」標準機能

読み込みデータの修復・修正機能

AM造形に必要な機能として、「読み込みデータの修復・修正機能 」がある。3Dモデルデータの品質チェック、自動修正、マニュアル修正を行うことで、メッシュデータの穴あきなど、CADでの修正が難しい処理も自動で修正が可能になる。

VoxelDance Additive Ultimate 読み込みデータの修復・修正機能

自動配列/Sinterモジュール

「自動配列/Sinterモジュール」は、3Dプリンターで複数部品を同時に出力する際に出力効率を最大化する自動配列機能だ。最大数、最短時間を自動計算する他、小さな部品をケージで囲う「Sinterbox」機能も標準装備しているという。

VoxelDance Additive Ultimate 自動配列/Sinterモジュール
VoxelDance Additive Ultimate 自動配列/Sinterモジュール

ラティス構造作成機能  

「ラティス構造作成機能」では、BCC,FCCなどプリセットのラティス構造やオリジナル構造を取り込み、ワンタッチでモデルを最適化することができる。非常に複雑なラティス構造を手動で生成することは、困難だが、こうした機能はオプション扱いされることが多かったため、オールインワンパッケージに含まれ、入手してからすぐに使えることは大きな魅力だろう。

VoxelDance Additive Ultimate ラティス構造作成機能

オートサポート生成機能

SLAとSLMでのプリントに必要な「サポート構造」を、パーツに対し自動で生成する機能。バーサポートやポイントサポートなど、造形したい形状や後処理の手間を考慮して、使い分けることができる

VoxelDance Additive Ultimate オートサポート生成機能

スマートサポート機能

「スマートサポート機能」は自動でサポートを生成する際にパーツを避ける機能だ。パーツに対するサポート接地面を減少させることで、研磨などの後工程にかかる工数を削減することが可能になる。

VoxelDance Additive Ultimate スマートサポート機能

サポートジェネレーション機能

「サポートジェネレーション機能」はスマートサポート、ブロックサポート、点サポート、柱サポート、ポリラインサポートなど、様々なサポートを選択して生成可能だ。造形したい造形物の形状や大きさ、重量、材質などを考慮して、造形者が最適なサポートを選択する助けになるだろう。

VoxelDance Additive Ultimate サポートジェネレーション機能

おわりに:ソフトウェア面の真価がAMの生態系をより豊かに発展させる

3Dプリンターによるモノづくりに先立つものは、3D設計モデルデータだ。デジタルなモノづくりには、その実行環境であるソフトウェアが大きな影響を与える。CADでできること、CAMでできることで足りない部分を補うのが、AM専用ソフトウェアだ。「無理すればできる」「オプションで購入すればできる」が「当たり前にできる」ことで、生産性は大きくあがり、性能や品質の向上のための時間に充てることができる。VoxelDance Additive UltimateのようなローコストなAMソフトウェアはその大きな助けになるかもしれない。

一方で、現在CADやCAMソフトウェアはクラウド対応しサブスクリプション課金することで、企業や個人のライセンス不適正な利用に対抗しようとしている。その分一括購入では高額になりがちだったソフトウェア購入費用を、必要な人数分だけ、月次で課金することで、分散化し、単価はさがるものの、利用者を増やす作戦に出ている。オプション課金されるが、単価は許容範囲というサブスク型の利用者層も増えている。

取引先と足並みをそろえる必要がある企業は、商流に合わせたソフトウェアを利用する必要があるため、一概には言えないが、こうした利用できる環境を選択できることが、AM専用設計に取り組むエンジニアの数を増やす方向に寄与することは間違いない。多様化するAMの生態系を感じさせる取り組みだと言えるだろう。

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編集/記者

2019年のシェアラボニュース創刊以来、国内AM関係者200名以上にインタビューを実施。3Dプリンティング技術と共に日本の製造業が変わる瞬間をお伝えしていきます。

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