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MIT、質量分析計の重要部品である質量フィルターを3Dプリント

3Dプリントされた小型質量フィルターの例

MIT(マサチューセッツ工科大学)の研究者らが、化学物質を識別する装置である質量分析計の重要部品・質量フィルターを3Dプリント技術を用いて製造した。従来品よりも同等の性能を持ちながら費用や製造にかかる時間、重量を大幅に削減できるとして注目を集めている。

質量分析計は犯罪現場の分析、毒物検査、地質調査などの用途に広く使用されている。(上部画像は3Dプリントされた小型質量フィルターの例。出典:MIT)

3Dプリント技術で数ドル・数時間で製造可能

MITの研究グループは、小型フィルター製造に3Dプリント技術を活用することで、費用は数ドル、製造時間は数時間と一桁時間に抑えることに成功した。フィルターの素材には、耐久性に優れ、900℃までの温度への耐熱性を持つガラスセラミック樹脂を使用。フィルターの型式には種々の四重極型と呼ばれるものが採用されている。造形はSLA方式の3Dプリンターで行われた。

また、3Dプリンターで造形するフィルターは、一体成型で組み立てを必要としないため、一般的な製品でよくある、組み立て中に性能に悪影響を及ぼす欠陥が発生しない点も特徴として挙げられる。

3Dプリンターの造形の自由さを活用して(h)に到達する前に、さまざまな四重極フィルターが多数作成された
3Dプリンターの造形の自由さを活用して(h)に到達する前に、さまざまな四重極フィルターが多数作成された(出典:MIT)

今回、3Dプリントされた小型フィルターは、「10万ドル以上のコスト、製造に数週間かかることもある一部の商用グレードの質量フィルター」と同程度の性能を持つという。

小型化と軽量化にも成功している点にも注目すべきだ。フィルターを小さくすると、通常、製造プロセス中に誤差が生じる。さらに、フィルターが小さいほど収集するイオンの量が少なくなるため、化学分析の感度が低くなる。今回開発されたフィルターは、これらの課題を克服している。

これにより、熱帯雨林などの遠隔地でも、研究所にサンプルを送ることなく、現地で未知の化学物質を識別できるポータブル質量分析計の開発につながると期待される。

また、軽量の装置は、より安価で簡単に宇宙に送ることもできる。そこで地球の大気中や遠く離れた惑星の化学物質の分析も可能になるという。

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