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3Dプリント技術で調節弁の騒音を低減させる手法を開発

新技術を用いて造形されたモデル

製造業やエネルギー産業におけるテクノロジーとソフトウェア企業のエマソン社が、2023年12月10日、産業界で用いられる調節弁のロータリーバルブとグローブバルブの騒音をこれまで以上に低減させる技術「Fisher Whisperトリム技術」を発表した。(上部画像は新技術を用いて造形されたモデル。出典:日本エマソン株式会社)

3Dプリント技術を活用し、調節弁の騒音問題に対応

産業界では、調節弁(以下、バルブ)の騒音がしばしば問題になるという。バルブの役割は流体を通したり、止めたりすることで、騒音はバルブでの差圧が大きいとき流体がバルブ内の狭い流路を通過する際に、高い流速になることで生じる。

騒音の大きさは流体の速度に強く依存するため、大流量や⾼差圧の⽤途では騒⾳レベルが急激に上昇する。騒音は作業員の聴覚をはじめ、配管、精密機器、付近のパイプ接続部、バルブ構成部品を損傷させる恐れがある。

「Fisher Whisperトリム技術」

エマソン社が新たに開発した「Fisher Whisperトリム技術」を用いて製造されたバルブは、騒音を大きく抑えられるという。「Fisher Whisperトリム技術」は、安価で大容量に対応できるものの、騒音抑制力の弱いロータリーバルブ、騒音抑制力が強いグローブバルブの両者に適用できる。

騒音を低減させる能力に秀でたグローブバルブは、騒音を抑制する機能を向上させようとすると、それに比例してバルブ内部の主要部品であるトリムの構造が複雑化し、バルブ容量が低下する。大きな弁容量が必要な場合は、従来の低騒音トリム設計ではバルブ本体の⼤型が必要になってしまうという課題がある。

「Fisher Whisperトリム技術」を用いた場合、ロータリーバルブは今までの製品に比べて10dBAの改善となる、最大20dBAの騒音低減が、グローブバルブは従来のトリム設計に比べて流量が20%増加すると同時に、最大で30dBAの騒音低減が可能になる。これにより、本来、大型バルブを使用していた場面でも小型バルブを使用できるようになるという。

今回の技術開発は、従来のトリム設計の欠点をなくしつつ大幅な騒音低減が得られるため、騒音が問題になる場所へバルブを設置する際の問題解決につながり、ユーザーの選択肢も広がる。

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