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広葉樹の廃材を活用した独自の木粉ペレット新材料開発

廃材を自社で粉砕し、ポリプロピレンと混ぜて作成した樹種別の木粉ペレット(WPC)/出典:井上企画社

株式会社井上企画(福岡県大川市)は、広葉樹の廃材を使用し、新しい材料を独自に開発する素材開発事業を開始した。広葉樹は、同社の自社工場で製造する家具の材料となっている。同事業では、広葉樹の廃材を粉砕したものにポリプロピレンを混ぜ、樹種別の木粉ペレット(WPC)を開発。ペレットは3Dプリンター用のプリント素材として使用できる。(画像は廃材を自社で粉砕し、ポリプロピレンと混ぜて作成した樹種別の木粉ペレット(WPC)/出典:井上企画社)

ペレットは3Dプリンター用素材として水平リサイクルが可能

井上企画社の自社工場では、月10t以上の廃材が発生している。同社はこの廃材を有効活用するために3Dプリント技術に目を向け、自社で販売・加工している家具材の広葉樹(ウォールナット、ホワイトオーク)の廃材を自社で粉砕し、ポリプロピレンと混ぜて、樹種別の木粉ペレット(WPC)製造をした。ペレットは粒状の素材で、3Dプリント時の印刷素材として使用できる。

素材に木材が使用されているため、広葉樹の色合いや匂いなどの質感を残しつつ、高い強度と耐久性を持つ木粉ペレットとなった。

この木粉ペレットで製造された製品は、使用後にリサイクルすれば同じ素材として再生することができる。このような循環型事業は、環境負荷の軽減やごみの削減に貢献することから近年注目を集めている。

他社材料のペレット化やペレット化した材料の出力試験にも対応

井上企画社では、自社工場の廃材利用だけでなく、他社が排出したプラスチックや木材などをペレット化する材料開発も行っている。また、ペレット化した材料を使ってFDM方式の3Dプリンターで出力する出力試験にも対応している。

家具メーカーと協力し3Dプリンターを使って名作家具を復刻

3Dプリンターと木工技術をかけあわせて復刻させた家具/出典:井上企画社
3Dプリント技術と木工技術をかけ合わせて復刻させた家具/出典:井上企画社

井上企画社は、2023年4月に東京ビッグサイトで行われたオルガテック東京2023において、福岡の家具メーカー株式会社アダルと共同で、90年代初頭のアダル社を象徴する家具モデルを復刻する「リンクラウンジ2.0」プロジェクトに取り組み、3Dプリンターを用いて名作家具を復刻させた。

3Dプリンターと木工技術という新しい組み合わせは、今後の3Dプリンター業界に大きな影響を与えることになるかもしれない。

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