最大16色の多色造形FFF方式3Dプリンターが日本進出 ― Bambu Lab
2022年にクラウドファンディングを成功させた3Dプリンターメーカー「Bambu Lab」が、日本市場への製品投入を発表した。同社製品の特徴は最大16色の多色造形に対応している点だ。X1-Carbon Combo(AMS標準装備) は、249,000円 (税込)で販売されている。
Bambu Labについて
Bambu Labは、2022年に大手クラウドファンディングサイトで 「Bambu Lab X1: CoreXY Color 3D Printer with Lidar and AI」のファンディングを成立させた廉価帯3Dプリンターの設計製造メーカーだ。アメリカのテキサス州・中国の深圳と上海に加え、2023年3月に日本子会社を設立し、日本市場への展開を目指している。その特徴は高速で多色造形に対応している点だ。
多色印刷を可能にする専用システム・AMS
まだまだ3Dプリンターで色彩を扱う機会は限られている。3DCAD上でモデルを制作する際に指定する作業も煩雑だし、造形できる3Dプリンターも数が限られている。ミマキエンジニアリングやストラタシスが高精度な色彩を再現できる機種も発売しているが、まだまだ高級機という印象もあって日本でのカラー造形はこれからの市場といえるだろう。
そのようななか、Bambu Labは独自の多色自動素材システム(AMS)を開発し、一台のプリンターで最大16色の造形を可能にした機種を低価格で発売した。
低温で簡単に印刷できるPLAやPETGに加え、一定以上の強度を持つカーボン/ガラスファイバー入りの素材やABSなども幅広い素材を造形できるという。
高精度のセンシングシステム
Bambu Labのプリンターは最先端なLiDARシステムに加え、数々のセンサーを備えており造形過程をモニターリングしている。FDM方式でよくある造形失敗である1層目の造形失敗、造形に失敗しスパゲティ状になってしまう失敗、フィラメントが途中できれてしまい造形できない失敗、水平が取れず造形が歪む失敗などを自動で検出でき、フィラメントの無駄、時間の浪費を防ぐことができるという。
また、品質がともなった超高速印刷スピードも大きな特徴だ。Bambu Lab社の3Dプリンターには、高速造形に適した「CoreXY式」が採用されている。さらに、超軽量カーボンレールやハイパワー加熱器などを搭載したことで、最大移動速度500mm/sと最大流量32mm3/sを実現していることにも注目したい。
色付きの施策造形の可能性
最近のFFF/FDM方式の3Dプリンターは筐体の剛性を向上させ、ヘッドスピードを高速化し造形能力を上げているが、Bambu Labのプリンターもこのトレンドにのっている。CoreXY式を採用し、カーボンレールの軽量化などにより、造形ヘッドの最大移動速度500 mm/s と単位時間あたりの造形能力で最大流量32 mm3/sを実現したという。試作品を試験造形する際に、製品化した際の素材ごとに色を区別したい場合や発注したい工場ごとに色分けするなどの用途では多色造形でも充分対応できるだろう。使い手のアイデアにより用途が広がっていくかもしれない。
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