Formlabs社がMicronics社を買収しSLS技術を強化
Formlabs社(マサチューセッツ州)は、3DプリンティングスタートアップMicronics社(ウィスコンシン州)を買収した。この買収により、Formlabs社はよりアクセスしやすいSLS方式(選択レーザー焼結法)3Dプリンティング技術の開発を推進。Micronics社の創業者とチームはFormlabs社に加わり、製品設計者やエンジニア、イノベーター向けに強力で使いやすい3Dプリンティングソリューションを提供することを目指す。(上部画像はFormlabs社のプレスリリース。出典:Formlabs社)
買収の背景と目的
SLS技術の分野はアクセスしやすく強力なソリューションを提供することが求められている。そんな中、世界中で販売される粉末床溶融プリンターの半数以上を占めるSLS方式3Dプリンター「Fuse 1シリーズ」を開発したFormlabs社は、強力かつアクセスしやすい3Dプリンティングに対する共通のビジョンにより、Micronics社に大きな関心を寄せていた。Micronics社は、コンパクトで高精度なデスクトップSLS 3Dプリンター「Micron」を開発しており、この技術と経験がFormlabs社の戦略に合致したという。
期待される技術革新と市場への影響
今回の買収は、2019年にFormlabs社がSpectra社を買収し、ISO13485認定施設が追加されたという成功に続くものである。今後、SLS技術を強化、プロダクトデザイナーやイノベーターが創造性を発揮し、最終製品をプリントできる新しいツールとソリューションを提供する。3Dプリンティングのアクセスが拡大し、信頼性、プリント品質、使いやすさを求める製品ユーザーにとって、さらに技術が身近なものとなるということだ。
Formlabs社について
Formlabs社は、アメリカ合衆国マサチューセッツ州に本社を構える3Dプリンターメーカーである。主にSLS方式やSLA方式(光造形法)を採用した3Dプリンターを開発・製造している。Formlabsの製品は、高精度かつ高品質な造形を実現することで、プロトタイピングから最終製品の製造まで幅広い用途に利用され、特に、エンジニアリング、デンタル、ジュエリーなどの分野で高い評価を受けている。
Micronics社について
Micronics社は、もともとはウィスコンシン州に拠点を置く3Dプリンティングスタートアップであり、Kickstarterキャンペーンを通じて注目を集めた。彼らの主要製品である「Micron」は、デスクトップサイズでありながら、産業レベルの精度と強度を持つSLS方式3Dプリンターである。Micronics社の創業者であるHenry Chan 氏とLuke Boppart 氏は、手頃な価格で高品質な3Dプリンティングを提供するというビジョンを持ち、その結果、Micronics社は多くの支持を得ることができている。
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