最先端3Dプリンターを今治で世界初導入!「X-tech Lab Imabari」で地域産業の未来を創る
11月18日、愛媛県今治市の今治地域地場産業振興センターに「X-tech Lab Imabari(クロステックラボイマバリ)」が開設された。この施設は、地場産業が直面する人材不足や生産性向上という課題の解決を目指し、DX(デジタルトランスフォーメーション)を活用した取り組みを進める場である。世界初導入となる3Dプリンターや協働ロボットなど、最先端の技術が集結していることが特徴だ。オープニングイベントには多くの関係者が参加し、この新施設が地域産業全体に与える可能性に期待を寄せた。(上部画像はオープニングイベントの様子。出典:今治市役所)
先端技術が切り拓く地場産業
今治市の基幹産業であるタオル製造業や造船業は、熟練技能者の高齢化や人材不足といった深刻な課題に直面している。この危機を打破するために開設されたのが「X-tech Lab Imabari」である。この施設には3Dプリンターや協働ロボットなどの先端技術が導入されており、地場企業がこれらを活用して新たな技術の試行を行うことが可能だ。また、製品開発の初期段階で迅速に試作品を製作したり、設計の確認や改善が効率的に行える手法「ラピッドプロトタイピング」を活用し、製品開発の効率化や現場導入に必要なノウハウが提供される場ともなっている。地域全体にイノベーションを広げる拠点として、「X-tech Lab Imabari」に大きな期待が寄せられている。
世界初の技術と人材が切り拓く新たな可能性
「X-tech Lab Imabari」には、世界初導入となるExtraBold社の最新鋭3Dプリンター「BUTLER(バトラー)」や協働ロボットが導入されている。「BUTLER」という名称は、協働ロボットが造形テーブルを持ち移動する動作に由来。熱可塑性樹脂ペレットやリサイクル材を活用することで、環境に配慮したプロトタイプ制作を可能としている。また、失敗した造形物の材料を再利用できる仕組みが備わっており、持続可能なものづくりを実現する。
「BUTLER」は、椅子やランプシェード、鉢植え、看板、棚、ハンガーなど、自由な発想による多様な作品の制作に対応する。さらに、造船業界においてはプロペラの試作や船型研究のためのモデルシップ制作などへの応用が期待されている。「BUTLER」を中心とした技術革新が、地域産業に新たな可能性をもたらすだろう。
地域産業の人材育成と交流を担う拠点へ
「X-tech Lab Imabari」は今後、子ども向けのワークショップや体験イベントが開催される予定であり、次世代の創造力を育む教育の場としての役割が期待されている。また、市民を対象とした公開イベントや技術セミナーを通じ、地域全体のDX推進に寄与することも、このラボが果たすべき重要な役割である。さらに、単なるモノづくりスペースにとどまらず、地域産業の人材育成と交流の場として、地域全体の未来を支える拠点となることを目指している。
オープニングイベントでは、地場企業が業界の垣根を越えて協力し、AIを活用した業務効率化を実現した事例が紹介されるなど、共通の課題を持つ企業同士の連携がすでに動き始めている。地方都市・今治からイノベーションを創出する拠点として始動した「X-tech Lab Imabari」。その取り組みをぜひ現地で体感していただきたい。
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