Formlabs、次世代2次硬化機「Form Cure(2nd Generation)」「プロトタイプ向けレジンTough1500 V2」をリリース

Formlabs社(アメリカ・マサチューセッツ州、以下、Formlabs)は新型二次硬化機「Form Cure(2nd Generation)」を2025年3月24日に発売した。従来機と比較し、LEDの数および出力が大幅に増強され、硬化時間の劇的な短縮を実現した。さらに、処理可能なサイズや数量も改善されている。また、同日には高い剛性と弾性を兼ね備えたプロトタイプ向けレジン「Tough1500 V2」も併せてリリースされた。本材料は従来比で衝撃強度や耐久性が大幅に向上しており、機能性と信頼性を重視する用途に最適な素材となっている。(上部画像は新型二次硬化機「Form Cure(2nd Generation)」出典:Formlabs)
Form Cure (2nd Generation)の技術的特徴
Form Cure (2nd Generation)では、硬化処理に使用されるLEDが従来の13基から48基へと増設されており、LED全体の出力も39ワットから150ワットへと飛躍的に強化されている。さらに、放射される光エネルギーも9.1ワットから50ワットにまで向上しており、硬化効率の大幅な改善が図られている。
加えて、庫内に設置された回転式テーブルは直径が従来よりも4センチ以上拡大されており、処理可能な造形物の高さも最大185ミリメートルから245ミリメートルへと引き上げられた。これにより、大型造形物の後処理にも柔軟に対応できる仕様となっている。

また、この改良により、庫内の加熱立ち上がり時間が著しく短縮された結果、一般的なレジンの二次硬化処理に要する時間は、従来の5分からわずか1分へと短縮された。さらに、高温環境に耐えるハイテンプレジンにおいては、従来120分を要していた硬化プロセスが、わずか15分で完了するようになっており、作業効率の飛躍的な向上が実現している。

Tough1500 V2レジンの進化点

Tough1500 V2は、前バージョンと比較して破壊強度およびガードナー衝撃強度(平らで剛性のあるプラスチックの衝撃破壊強度)が向上している。穴開けやひび割れが生じた場合でも、部品が破損しにくく、薄肉構造でも高い耐衝撃性を保持する。ガードナー衝撃強度は従来の3倍に達している。
さらに、破断伸度は155%、ロス曲げ疲労(ゴムの屈曲によるクラック観察での耐久性)は8,000サイクルと極めて高い耐久性を誇る。これにより、スナップフィットやコンプライアント構造のような機構部品にも対応可能である。
加えて、EAB(破断時の伸び率)が100%以上という高いコンプライアンス性を持ちつつ、熱変形温度は66℃、400時間の加速エージング試験後も破断伸度が-30.4%と安定性を維持する。
また、7Mpaの荷重下で2週間経過後の歪みが3%以下と、ポリプロピレンに匹敵する優れた耐クリープ性も備えており、工場内で長期使用される治具や固定具、セルフタッピングねじボス、スナップフィット機構など、過酷な使用条件にも耐える機能部品の材料として適している。
Formlabs社とは
Formlabsは、米国発の3Dプリンターメーカーで、SLA方式を中心とした高精度な樹脂3Dプリンターを提供している。主力製品「Form」シリーズや、SLS方式の「Fuse 1+」に加え、洗浄機・硬化機など後処理機器も揃え、一貫した造形ワークフローを構築できる点が特長である。用途別のレジン素材も豊富で、工業、歯科、医療など多様な分野に対応。世界中で幅広く利用されている。
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