3D Systems、テクノロジーリーダーシップチームを拡大しヘルスケア市場に注力
3D Systems はアディティブ・マニュファクチャリング担当最高技術責任者を加え、イノベーションに焦点を当てたエグゼクティブ・リーダーシップ・チームを拡大することを発表。（写真はイメージ：出典Pixabay）
3Dプリンターのヘルスケア市場への採用は、深く入り込んできている。補聴器の90％以上は3Dプリンターによって作られていたり、歯科分野では3Dデータを活用した入れ歯やマウスピースの作成など、顧客ごとにカスタマイズが必要な製品は3Dプリンターの特性を活かし活用されている。またシリコン製心臓や人口皮膚など、3D Systemsが注力していく再生医療への活用も実用化に向けて進んでいる。
そんな中、今回はヘルスケア市場への強化を目的にチーム体制を拡大した3DSystemsについてご紹介する。
3Dプリンター導入が加速するヘルスケア市場へ戦略的強化
今回のテクノロジーリーダーシップの拡大は、ヘルスケアおよび産業市場における積層造形の導入が加速していることが関係している。これは、信頼性の高い製品を必要とする成長市場のアプリケーションに対し、積層造形ソリューションを実現するリーダーとして3D Systemsの戦略的目的の基盤となる。
業界のベテランであるDavid Leigh（デイビット・リー）博士が責任者として加わり、3DSystemsの共同創設者であるChuck Hull（チャック・ハル）氏は、再生医療部門の最高技術責任者としてバイオテクノロジーに重点を置き、再生医療に新たな可能性をもたらすソリューションの開発をリードする。
チャック・ハル氏が率いる研究チームは、ユナイテッド・セラピューティクス社との提携により実現した画期的な技術を基に、組織移植から人間の臓器に至るまで、幅広い人間への応用が可能となる。さらには新しい薬物療法の開発を促進する可能性を秘めた実験室での応用も期待されている。また、ハル氏は次世代の大規模金属3Dプリントプラットフォームを用いて、政府のプログラムをサポートしていくとのこと。
責任者として加わるデイビット・リー博士は、積層造形業界で30年以上の経験を持つ。3D Systemsに入社する前は、3DプリンターベンダーであるEOS社の最高技術責任者（グローバル）および最高業務責任者（北米）を務めていた。
また、Harvest Technologies社を設立し、航空宇宙分野での最終用途部品のアプリケーションのパイオニアとして、最初のAS9100認証を受けた3Dプリンター施設の1つを設立。Harvest社は2014年にStratasys社に買収され、リー博士はEmerging Technologies社の上級副社長に就任。同氏は、積層造形の先駆的な研究機関であるテキサス大学オースティン校で、材料科学・工学の博士号、工学の理学修士号、機械工学の理学士号を取得している。
3D SystemsのPresident & CEOであるJeffrey Graves（ジェフェリー・グレイブス）博士は、再生医療という新たな業界へ挑戦するため今回のリーダーシップの拡大について以下のようにコメントしている。
3D Systemsは、プロダクションスケールの積層造形を可能にすることで、産業およびヘルスケア市場に革命をもたらす大きな可能性を秘めており、その可能性を実現するためには、画期的なイノベーションの提供が不可欠です。アプリケーションとテクノロジーの開発を推進するために、デイビッドとチャックがこのようなエグゼクティブ・リーダーシップの役割を担ってくれることは非常に幸運なことです。二人はこれまでのキャリアの中で、プロセスを再考し、技術を進歩させ、組織の運営方法や顧客への製品・サービスの提供方法を変えるようなソリューションを生み出す能力を発揮してきました。デイビッドは、当社のリーダーシップチームと3Dシステムズにとって素晴らしい資産となるでしょう。彼は積層造形技術のリーダーとして知られており、イノベーションと製品開発を推進する高性能なチームを構築してきた実績があります。3Dプリンティングの先駆者であるチャックは、今、再生医療という新たなフロンティアへと我々を導いています。私たちの会社と業界にとって、これほどエキサイティングな時代はありません。
3D SystemsのPresident & CEO Jeffrey Graves博士 コメント抜粋
3D Systemsについて
ハードウェア、ソフトウェア、材料、サービスを独自に提供することで、それぞれのアプリケーションに特化したソリューションを提供。3D Systemsのソリューションは、医療・歯科、航空宇宙・防衛、自動車、耐久消費財などのヘルスケアおよび産業市場に対応し展開している。
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