デザイナーのインスピレーションに寄り添う空間を3Dプリンターで!
日の出工芸株式会社は、2023年9月に虎ノ門に移転した東京オフィス内に「日の出工芸 東京ショールーム」を2023年12月8日からオープンしている。事業拡大の一環として、立体的な造形が可能になる3Dプリンターを導入し、従来のデザインパネルに加え、立体的な内装材としても提案の幅を広げた。近年では3Dプリンター分野が国内でも注目を集めているが、内装業界ではまだまだ参入の余地があるという読みもある。(上部画像はは日の出工芸の新ショールーム。出典:日の出工芸社)
新型コロナウイルス感染症が5類に以降し、商業空間へのニーズが活性化
コロナ禍で落ちこんだ訪日外国人旅行者だが、2023年は大きく訪日客が増え観光業は活況を呈しており、それにともない商業分野も回復傾向にある。日の出工芸社は、ホテルや飲食店などの商空間がさらに盛況となることを見越し、事業拡大のため2023年9月19日に南青山のオフィスから虎ノ門に東京オフィスを移転した。
事業拡大の一環として、立体的な造形が可能な3Dプリンターを導入し、従来のデザインパネルに加えて立体的な内装材の提案の幅を広げた。近年、3Dプリンター分野は国内で注目されており、建築業界では3Dプリンターで住宅を建てるプロジェクトが話題となる一方、内装業界ではまだ参入の余地がある。
内装分野での3Dプリンター活用
日の出工芸社は創業から60年以上の歴史を持ち、主に不燃材を用いた内装用デザインパネルや立体造形を含む装飾材を製造している。デザイナーの声に耳を傾け、製品ラインナップを継続的に拡充してきた。こうした取り組みは日の出工芸社だけのとりくみではない。
日本でも商業空間での内装分野の取り組みは着実に進んでおり、一品物の造作家具や意匠性の高い展示の造形が発表されている。
以前Sharelabでも取り上げた新潟タキザワ社はExtraBold社の国産ペレット式3Dプリンターを活用して大型の店舗什器や内装などを手掛けている。
積彩社も透明度の高い酢酸セルロースを材料に切子ガラスを思わせる風情の漂う家具をエス.ラボ社のペレット式3Dプリンターで造形するなどの取り組みを行っている。
また、こちらも以前Sharelabで取り上げたのだが〈TSUGINOTE TEA HOUSE〉プロジェクトでは、筑波大学の厚見 慶氏によって設計された3Dプリント茶室で、伝統的な日本の木造建築の継手・仕口の技法を取り入れ、持続可能な新しい建築システムのプロトタイプを目指しているが、独自性のある模様が美しい。
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