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営業利益減も市場から好感される❝三光合成の強さ❞の秘密

三光合成について

三光合成株式会社(以下、 三光合成 )は自動車向けを主力とする樹脂製精密工業部品メーカーである。炭素繊維を使った成形技術の開発や、金属3Dプリンターを活用した金型製造で業界の先駆者だ。 2019年5月末に決算を迎えた同社の2018年度売上は551億円。富山県に本社を置き、2020年には創業80周年を迎える。

2016年には3Dプリンターガス抜き入れ子の販売開始

三光合成は射出成型用金型をガスー樹脂の置換を迅速に行うことができる「ガス抜き入れ子」として製造し、三次元形状を活用して金型内のガスを排出することで、成形加工のQCDを改善する取り組みを行っている。

・成形サイクルをさらに短縮
・型内ガスに起因する不良抑制(ショートショット、ガスヤケ、ウエルドなど)
・冷却も(水穴)
3D形状で全面からガス抜き(細孔を全体に空けることで排気)

などの効果を見込めるとのことだ。こうした取り組みは特許出願中ということで同社の強みにもなっている。

粗密構造を有する高性能な入れ子

同社の金属3D造形はレーザーで行われているようで、マルエージング鋼(表面硬度、HRC30)を造形材料に、水を漏らさないソリッドな給排水空洞と型内ガスを効率的に排出する広いポーラス表層をもつ入れ子構造になっている。

金属3Dプリンチングによる「ガス抜き入れ子構造」の断面図 (三光合成サイトより。)

寸法上の制約として、最大寸法が250㎜×250㎜×185㎜という制限があるが、3D形状データがあれば、ガス抜き入れ子構造にするための見積に対応しているという。(機密保持にも対応)。ポーラスの厚み、空間、水穴、ガス排出口の設計も有償で対応してくれるとのことだ。

株式市場でも好感。株価も順調に上昇中

市場拡大途上にある電気自動車(EV)向けなどで今後需要取り込みが期待されており、三光合成の株価は連日上昇。2019年10月17日には一時4.3%高の389円まで上値を伸ばした。

10月9日に発表された20年5月期第1四半期(6~8月)決算は営業利益が前年同月比で大幅に減少したものの、小幅ながら増収を確保しており、1株純資産640円からみた時価の割安さが好感を得ている模様だ。

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編集/記者

2019年のシェアラボニュース創刊以来、国内AM関係者200名以上にインタビューを実施。3Dプリンティング技術と共に日本の製造業が変わる瞬間をお伝えしていきます。

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