1. HOME
  2. 業界ニュースTOP
  3. 再生プラスチックから作る環境にやさしい3Dプリント住宅を建設するAzure社に注目が集まる

再生プラスチックから作る環境にやさしい3Dプリント住宅を建設するAzure社に注目が集まる

3Dプリントユニット「バックヤードスタジオ」 出典:Azure社

アメリカのカリフォルニア州ロサンゼルスに拠点を構え、再生プラスチックを建築素材とする3Dプリント住宅メーカーのAzure社に対し、持続可能性の面を中心に注目が集まっている。

Azure社の3Dプリント住宅は、既存の建設方法よりも70%速く、20~30%安く建てられるという。(画像は3Dプリントユニット「バックヤードスタジオ」 出典:Azure社)

環境負荷の小さい住宅の開発で建設業界に改革を

建築業界では、何世紀にもわたって同じ基本的な建築技術が使用されている。その結果、多くの場合で予算オーバーやスケジュール遅れになるだけでなく、膨大な廃棄物が生み出されているという。

Azure社はより早く、より経済的に、より環境負荷を少なく建築できる住宅を開発し、従来の建築業界の常識を改革することを目的に2019年に設立されたばかりのスタートアップ企業だ。

Azure社は、3Dプリント技術とリサイクルプラスチックの力を活用して、裏庭に設置する小型のスタジオやオフィス(バックヤードオフィス)、ADU(Accessory Dwelling Units)と呼ばれる補助住居ユニットや住宅そのものを建築している。コストは従来の工法に比べて20~30%安く、建築にかかる時間は70%も削減できるという。

建物のサイズは、バックヤードスタジオが120平方フィートで、ADUは180平方フィートから900平方フィートのものまである。価格はバックヤードオフィスが、26,900ドル(約380万円)から、ADUは43,900ドル(約620万円)から用意されている。

3Dプリントユニット「ADU」 出展:Azure社
3Dプリントユニット「ADU」 出展:Azure社

建築材料の60%以上は、ペットボトルや食品の包装を再生したプラスチックが使用される。以下のYouTubeに掲載されている公式動画をみると、ペレット式の樹脂3Dプリンターで建材を造形しているようだ。

通常の住宅建設には木材をはじめとした多くの資源が使われ、建設業界全体で見ると世界の総炭素排出量の約20%にのぼるとされている。新しい素材の代わりに再生プラスチックを建築材料とする住宅は、建築業界の「持続可能な方法」といえるだろう。

低コスト短納期で建築できるAzure社の3Dプリント住宅は、決して簡易的なものではない。すべての商品は積雪荷重や、アメリカ本土の95%の条件をカバーする風速140mph(62.6m/s)に耐えられるように設計されている。風速140mph(62.6m/s)を超える極端な地域でも風圧の要求に応えられるように、強度を高めるオプションの用意もある。

将来的には建物の高気密化、ヒートポンプやソーラーパネルなどの低炭素技術を活用することで、住宅のエネルギー消費量をゼロにする計画もあるようだ。

注文から24時間以内に工場で3Dプリントし出荷される

Azure社の3Dプリント住宅を購入する際、顧客は公式サイトから「3Dコンフィギュレーター」と呼ばれるツールを使用することで、色や仕上げ方法、細部の構成を選択するカスタマイズが可能だ。デザインされた住宅は、24時間以内にロサンゼルスの工場で生産され、その後出荷される。

3Dプリントユニットを建築するようす 出展:Azure社
3Dプリントユニットを建築する様子 出展:Azure社

建築業界では3Dプリンターが積極的に活用されている。3Dプリンターの特徴を活かしたオーダーメイド性や、複雑構造の建築が目立つ中、環境に配慮した再生プラスチックによる住宅建築は、新たな付加価値となるだろう。数百万円という価格は建築工事現場に設置してあるプレハブ建築と同等水準だ。樹脂の天井や外壁の強度や断熱性能、防音性能などがこうしたプレハブを大きく上回るのか、同等なのか。上下水道との接続は可能なのか、耐用年数はどの程度なのかなど、実際に住居として住む、事務所として使うユーザーとしては気になるところだ。

過去にShareLabNEWSが取り上げた建築関連記事もあわせてご覧いただきたい。

ShareLab NEWS

国内外の3DプリンターおよびAM(アディティブマニュファクチャリング)に関するニュースや最新事例などの情報発信を行っている日本最大級のバーティカルメディアの編集部。

関連記事

資料ダウンロード 次世代3Dプリンタ展レポート

最新記事

おすすめ記事