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3Dプリントによる意匠性コンクリート製法を共同開発 ― 三井化学社・郡家コンクリート工業

3Dプリントによる樹脂製型枠の造形。

三井化学株式会社と鳥取県に本社を置く郡家コンクリート工業は、3Dプリント技術を用いて製作したポリオレフィン系樹脂型枠を活用し、意匠性の高いコンクリート製法を開発した。この技術により、従来では困難だった複雑な形状のコンクリート製品を製造でき、土木建築分野のデジタル変革に貢献することが期待される。(上部画像は3Dプリントによる樹脂製型枠の造形。出典:三井化学株式会社)

開発の背景と樹脂型枠

現代の建築と土木分野では、複雑で美的価値の高い構造物への需要が増加している。しかし、従来の製法ではこれらの要求に応えることが難しく、高コストと長時間を要する。

今回の3Dプリントされた樹脂型枠の利点としては、その軽量性と高い形状保持能力が挙げられる。従来の木製や金属製の型枠に比べて取り扱いが容易で、複雑な形状も精密に再現できる。また、再利用が可能であるため、コスト削減にも寄与する。このように、樹脂型枠は建築分野における新たな可能性を拓くとともに、環境負荷の低減にも貢献している。

ポリオレフィン系材料開発とコンクリート製造技術の融合

今回、三井化学社が開発したポリオレフィン系材料は、一般的なポリオレフィンと異なり3Dプリントを行った場合の反りが小さく、良好な形状で造形が可能ということだ。本開発品と3Dプリントの特徴である高い設計自由度、郡家コンクリート工業のコンクリート製造技術を融合させることで、意匠性の高いコンクリート製品の作製が実現できるという。

3Dプリンティング型枠によるコンクリート製品
3Dプリンティング型枠によるコンクリート製品(出典:三井化学株式会社))

応用例としては、建築物の外装や公共施設の装飾、アート作品など多岐にわたる。特に、従来の製法では実現困難だった独特のテクスチャーや複雑な形状のコンクリート製品を製造することが可能となるため、建築デザインの新たな地平が開かれ、より個性的で表現豊かな空間創りが期待されている。

今後の展望

3Dプリントを活用した意匠性コンクリート製法が、土木建築分野におけるデザインの多様性と製造の効率化を大きく推進すると期待されている。技術のさらなる進化により、環境負荷の低減やコスト削減が実現し、新たな建築物の創出に寄与する可能性がある。また、この技術の普及により、建築分野だけでなく、他の産業への応用も見込まれている。

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