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国交省発注の護岸工事で建設用3Dプリンターを活用 ― 福留開発社

護岸工事の現場だより。

高知県高知市の土木建設会社「福留開発株式会社」は、国土交通省高知河川国道事務所から受注した土佐市中島の仁淀川護岸工事において、建設用3Dプリンター「Polyuse」を活用。この新技術を用いることで、曲線部分も含むコンクリートパネルを迅速に製作し、工期短縮と人員削減を実現した。約150人の県内事業者や自治体の担当者が実演見学会に参加し、最新の施工技術について学んだ。(上部画像は護岸工事の現場だより。出典:福留開発社)

仁淀川中島地区の護岸工事の背景と目的

高知県の仁淀川中島地区で進行中の護岸工事は、国土交通省高知河川国道事務所の指導の下、福留開発社によって行われている。このプロジェクトは、地域の安全を守るため、特に豪雨時の水害から住民を保護する目的がある。この工事では、従来の方法とは一線を画す革新的な技術が用いられている。

建築DXの一翼を担う建設用3Dプリンター

福留開発社は、この護岸工事においてデジタルツールを活用した設計、測量、施工への取り組みを行っている。ドローンを活用したUAV測量により現地の測量を省人化するとともに、3次元設計データを作成しレーザースキャナーによる3次元出来形計測・解析の実施を行う。データを作成し、建設用3Dプリンター「Polyuse」で既設の護岸との取り合わせ部分を造形した。曲線部分を含むコンクリートパネルの迅速な製造が可能となり、工事の効率化が図られているということだ。

実演見学会では、福留開発社による3Dプリンター技術の実演が行われ、県内外の事業者や自治体の担当者約150人が、3Dプリンターが生み出すコンクリートパネルの製作過程を目の当たりにした。3Dプリンター技術の導入により、護岸工事の工期短縮と人員削減が実現出来たというが、現時点でのコストは既存工法に軍配が上がる。建設DXを活用した工事体制を組むには初期投資、機材を使いこなせる人材の雇用維持と育成が不可欠だ。

建設用3Dプリンターを使ってコンクリートパネルを作るデモンストレーション
建設用3Dプリンターを使ってコンクリートパネルを作るデモンストレーション(出典:福留開発社)

しかし、恒久的な人材難は地方に行くほど深刻化する。今後、経済性の改善は必要だが3Dプリンターやドローンを活用した省人化・自動化に寄せられる期待値は高い。高度成長期に日本中に張り巡らされた道路、護岸壁などの生活インフラは、老朽化を迎えている。気候変動による思わぬ災害への対策も必要だ。人口減少に悩む地方こそ、建設新技術の導入による積極的な自動化への取り組みが期待されている。

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