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セレンディクス社が大林組の超高強度モルタル「スリムクリート®」を用いた実証実験棟を建設

今回施工する「serendix10」(同型)

セレンディクス株式会社は、大林組が開発した超高強度モルタル「スリムクリート®」を使用した実証実験棟を広島県坂町にて建設する。「スリムクリート®」は高強度の鋼繊維を含み、鉄筋・鉄骨を使わずに高強度を実現するコンクリートであり、施工コストや作業工数の削減が期待されている。実証実験は2024年5月27日より開始され、建築基準法に適合するよう設計されている。(上部画像は今回施工する「serendix10(同型)」出典:セレンディクス株式会社)

超高強度モルタル「スリムクリート®」

実証実験の背景には、建築業界が直面しているコスト削減と環境負荷の低減という課題がある。従来の鉄筋コンクリート構造は、高い強度を持つ一方で、鉄筋の使用によるコストと環境負荷が大きい。これに対し、大林組が開発した「スリムクリート®」は、高強度の鋼繊維を含むことで、鉄筋や鉄骨を使用せずに高強度を実現することが可能である。さらに、鉄筋を使用しないため、錆びによる劣化のリスクが低く、長期的な耐久性が向上する。

スリムクリート®は、環境負荷の低減にも寄与する材料であり、鉄の使用量を削減することで、二酸化炭素排出量の削減が期待されている。また、形状の自由度が高く、デザイン性に優れた建築物の実現が可能である。この技術を実証するため、セレンディクス社は広島県坂町での実証実験を決定した。目的は、スリムクリート®の実際の建築物における性能を確認し、施工プロセスやコスト削減効果を検証することである。また、建築基準法に適合するための設計手法を確立し、スリムクリート®の普及を目指すことで、建築業界全体の技術革新を促進する狙いがある。

「スリムクリート®︎」
「スリムクリート®︎」(出典:大林組)
スリムクリート用鋼繊維
スリムクリート用鋼繊維(出典:大林組)

サキガケプロジェクト

実証実験は、広島県坂町において同社が2023年より参画している、広島県の「サキガケプロジェクト」のもとで実施される。サキガケプロジェクトは、広島県を実証実験のフィールドとして、新しい技術やサービスの社会実装を目指す取り組みである。高齢化社会の医療課題、物流の効率化、環境保護など、多岐にわたる社会課題に対応するために設立された。特に、規制やルールメイキングが必要な事業を重点的に支援する。

プロジェクトの主な支援対象には、スマホ接続型眼科診察機器を用いた遠隔診療、AI健康診断尿検査キット、電動配送ロボットの公道走行、小型EV船の自律航行、衛星データ×AIによる農地管理システムなどがある。これらの取り組みは、技術革新を通じて社会問題を解決し、持続可能な未来を創造することを目的としている。

今後の展望と影響

「スリムクリート®」の実証実験が成功すれば、建築業界における新たな標準技術として広く普及する可能性があり、施工コストや環境負荷の削減といったメリットが一層強調され、業界全体の技術革新を促進する。また、耐久性とデザイン性の高さから、住宅や商業施設、公共施設など多様な建築物への適用が期待される。

特に、環境意識の高まりとともに、二酸化炭素排出量削減の観点からも注目されることが予想される。さらに、「スリムクリート®」の技術が国際的に認知されれば、海外市場への展開も視野に入れることができる。これにより、日本の建築技術が世界に発信され、グローバルな市場での競争力が高まることになる。

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