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3Dプリンター住宅のセレンディクス社、JR西日本グループと資本業務提携を発表

調印式の様子(左:セレンディクス 代表取締役CEO 小間 裕康/右:JR西日本イノベーションズ 代表取締役社長 川本 亮 氏)

3Dプリンター技術を活用した住宅建設を手掛けるセレンディクス株式会社が、JR西日本グループとの資本業務提携をおもに鉄道関連施設の建設などを目的として発表した。セレンディクス社の技術を活用した建設事業が全国的に展開され、持続可能な社会の実現に向けた取り組みが加速する。(上部画像は調印式の様子「左:セレンディクス株式会社 代表取締役CEO 小間 裕康 氏/右:JR西日本イノベーションズ 代表取締役社長 川本 亮 氏」出典:セレンディクス株式会社、株式会社JR西日本イノベーションズ)

背景と目的

JR西日本グループは、持続可能な社会の実現を目指し、環境負荷の低減を重要課題として位置付けている。近年、鉄道インフラの建設においても、環境に優しい技術の導入が求められていて、これに応えるべく、同グループはセレンディクス社と資本業務提携を結び、3Dプリント技術の活用を決定した。セレンディクス社は、3Dプリンターを用いた住宅建設で培った豊富な技術とノウハウを持ち、その技術を鉄道関連施設に応用することで、効率的な建設プロセスと環境負荷の軽減を目指している。今回の提携により、鉄道業界における次世代の建設技術が導入され、工期の短縮やコスト削減といった具体的な効果が期待されている。さらに、持続可能な社会の実現に向けた新たなステップとして、鉄道インフラが進められる。

セレンディクスの3Dプリンター住宅「serendix10」設計:CLOUDS Architecture Office
セレンディクス社の3Dプリンター住宅「serendix10」設計:CLOUDS Architecture Office(出典:セレンディクス株式会社)

駅舎などの鉄道関連施設の建て替えを3Dプリンター建築で実施予定

まず、駅舎の建設において3Dプリンターを使用することで、従来の建設方法と比べて大幅な工期の短縮が可能となる。3Dプリント技術は、設計データをもとに素材を一層ずつ積層していくため、複雑な構造物を迅速に高精度で製作できる。また、自由度の高いデザインが可能となり、地域の特色を反映した独自性のある駅舎を実現できる。これにより、地域住民や利用者にとって魅力的な駅舎の提供が期待される。

次に、鉄道橋の補修においても現場で直接必要な部品をプリントすることで、補修作業を迅速かつ正確に行うことができる。この方法は、材料の無駄を減らし、環境への配慮も兼ね備えている。また、鉄道橋の安全性を向上させるだけでなく、補修コストの削減にも寄与する。

さらに、鉄道関連施設のモジュール化も進められている。3Dプリント技術を活用して工場で部品を製作し、現場で迅速に組み立てる方式を採用することで、現場での作業時間を大幅に削減できる。特に遠隔地やアクセスが困難な場所での施設建設において非常に有効である。モジュール化により、品質の均一化が図れるとともに、柔軟な設計変更にも対応可能となる。

セレンディクス社とJR西日本グループは、日本国内のみならず国際市場にも進出する計画を立てている。3Dプリント技術を活用した鉄道関連施設の建設は、コスト削減や環境負荷軽減に加え、災害時の迅速な対応や持続可能なインフラの構築にも寄与する。この取り組みが成功すれば、鉄道業界における新たなスタンダードとなり、持続可能な社会の実現に大きく貢献する。

JR西日本イノベーションズ 代表取締役社長 川本 亮 氏コメント

JR西日本グループは、未来社会を見据えた存在意義である「私たちの志」、10年後のありたい姿である「長期ビジョン2032」を掲げ、その実現に向けて、様々なパートナーの皆様と共に新たな挑戦を続け、イノベーションを推進しています。セレンディクス社の3Dプリンティング技術は、限られた時間でも効率的に施工を進めることが可能となり、施工期間の大幅な短縮と同時にコスト削減効果も期待できます。今回の提携により、労働力不足が課題となる中でも、着実に鉄道施設の更新を進めていくことで、鉄道の持続性を高め、長期ビジョンに掲げる「安全、安心で、人と地球にやさしい交通」の実現に寄与してまいります。

https://www.atpress.ne.jp/news/395456

セレンディクス株式会社 代表取締役CEO 小間 裕康 氏コメント

当社は「世界最先端の家で人類を豊かにする」をビジョンとして掲げ、ロボット施工による建設コストの大幅削減により、「車を買う値段で家を買い替えられる」新しいデジタル社会の実現に取り組んでいます。昨今の建設費用の高騰は、一般住宅だけではなく、国民の移動手段である公共交通機関にも影響があると聞きました。安価で良質なサービスを提供し続けるためには、品質を下げず、運営コストを削減することが重要な要素になります。まずは、販売・実証されたserendix10の技術をもとに、大幅な工期の短縮により人件費を抑えつつまた、丈夫な構造によりメンテンスコストも抑えた魅力的な駅舎の建設などをJR西日本様と取り組みます。既存の概念にとらわれない新たな発想やテクノロジーを積極的に活用することで、良質な地方公共交通の維持に貢献し、ひいては地方活性化の一助となればと考えております。

https://www.atpress.ne.jp/news/395456

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