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スーパーで買える3Dプリント食品!代替サーモン魚肉 ― Revo Foods

調理された3Dプリント代替サーモン魚肉

オーストリアの食品技術スタートアップRevo Foodsは世界で初めてスーパーマーケットで3Dプリントされたビーガン用サーモン・フィレを販売した。スーパーで入手できる3Dプリント製品として3Dフードプリンティングが実験室レベルではなく、産業として量産体制を実現できることを示しているといえるだろう。(上部画像は調理された3Dプリント代替サーモン魚肉。出典:Revo Foods)

3Dプリンティング魚肉を製造するオーストリアのRevo Foods

Revo Foodsは、2020年に設立されたウィーンを拠点とするスタートアップで、代替肉の生産のための大量3Dフードプリンティング技術の先駆者だ。同社の最初の製品はすでにヨーロッパ全土の大手小売店で入手可能であり、2022年にオーストリアにおける魚代替品のマーケットリーダーとなった。

タンパク質の連続3Dプリンティングのための新技術に関して2件の特許を取得しており、7件の資金提供を受けている。40人の国際的な科学者とエンジニアからなる多様性に富んだチームは、持続可能な代替品に次のレベルのビーガン・シーフードを提供することで、乱獲を防ぐという使命に取り組んでいるという。

3Dプリンティング魚肉は代替魚肉として水産物資源の乱獲を抑制する


近年マグロの乱獲などが問題になっているように、水産資源にも限りがあり漁獲高が増えれば増えるほど海洋生態系が崩壊するリスクを招く。また漁業で用いられる網やブイは、海洋プラスチック汚染の大きな原因にもなっている。乱獲と汚染で海洋生物多様性の崩壊は急速に始まっており、対策が急がれるところだ。 一方で、マイクロプラスチック汚染魚の増大や漁獲高の現象にもかかわらず、魚介類に対する消費者の需要はここ数十年で急増している。乱獲にあたらない持続可能な代替品を消費者に提供する有望な解決策の必要性が叫ばれる中で、養殖と並んで有望視されているのが、代替魚肉製品の開発だ。

3Dプリンティング魚肉「THE FILET – Inspired by Salmon」

2023年9月、Revo Foodsは「THE FILET – Inspired by Salmon」を発表した。これは、3Dプリントされたビーガンシーフード、そして一般の3Dプリント製品がスーパーマーケットの棚に並ぶという画期的な出来事となった。Revo Foodsは、糸状菌から作られるマイコプロテインを主成分とする代替魚肉を新しい押出技術によりより美味しく経済的に生産することに成功した。発売パートナーは、ヨーロッパ最大手の小売業者の1つであるREWE/BILLAだが、ヨーロッパ圏では、2023年10月1日からRevo Foodsのオンラインショップでも注文可能だ。

Revo foodsのオンラインショップで販売される3Dプリント魚肉
Revo foodsのオンラインショップで販売される3Dプリント魚肉(出典:Revo Foods)

脂肪分を繊維状タンパク質マトリックスにシームレスに統合することができ、魚のフィレの持ち味である「フレーク感」とジューシーな繊維を備えた新世代の本格的なシーフード代替品の開発に成功。特許出願中の3D-MassFormer™技術を利用して、3Dプリント食品の大量生産が可能な史上初の連続生産プロセスを開発し市場投入を測っている。THE FILETは、タンパク質とオメガ3の含有量が高いため、ニュートリスコア評価でも「A」を獲得しているなど食感だけでなく栄養も豊富だ。

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