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がん手術で失った鼻の再建手術に3Dプリンターを使用。術後も良好!

患者の前腕で培養された鼻

フランスのトゥールーズ大学病院と、同病院のがん研究所に所属する耳鼻咽喉科・頸部顔面外科チームが、3Dプリンターを用いた鼻の完全再建手術を実施。手術はトゥールーズ・オンコポール大学がん研究所で行われた。手術はまず、患者の前腕に3Dプリンターで作られた鼻のインプラントを設置。2か月かけて形成することから行われ、その後患者の顔に移植された。

患者は以前、鼻腔がんの治療の結果、鼻の大部分と口蓋の前部を失っていた。がんの手術から4年間鼻なしで生活した後、皮膚を使った植皮手術を受けたが失敗。その後、装具の使用もあったが、毎晩取り外さなければならないという手間もあってうまくいかず、引きこもりがちになり10年以上も外出できていない状態だった。今回、移植された鼻からは、においも感じられるという。(上部画像は患者の前腕で培養された鼻/出典:トゥールーズ大学病院)

鼻移植の2つの課題解決に3Dプリンターを活用

鼻移植は、骨再建を専門とするベルギーの医療機器メーカーであるCerhum社と医療チームの協力により実現した。

Cerhum社がこれまで、3Dプリンターとステレオグラフィーと呼ばれる精密な技術を用い、独自のパーツを使った顔の骨の再建に携わっていた。鼻再建手術には、細胞の足場となるインプラントの形成と、インプラントを生きた鼻として顔に移植するという2つの課題があった。

今回の鼻再建手術に必要な医学的にも技術的にも新しいタイプのインプラントは、Cerhum社の技術を用い、歯のエナメル質や骨の成分である天然鉱物のハイドロキシアパタイト製の部品で形成。インプラントの形と大きさは、患者の以前行った手術データが参考にされた。

インプラントを生きた鼻として移植するために、前腕で育てることを選択。通常、このような移植手術では背中の皮膚や肩甲骨の軟骨など、体の他の部分を使うか、直接患部に埋め込むかして行われる。しかし、前腕は皮膚が非常に薄く、血管にアクセスしやすいという利点があり、前腕から顔への移植も円滑に行えるという理由から前腕が選ばれた。

前腕から顔への移植手術後、患者の状態は良好で、血液の循環もよく、がんが再発する心配もないという。Cerhum社は、この技術を今後、歯科骨移植や整形外科分野、脊椎手術などに活かしていく予定だ。

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