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さわれる!ユニバーサルデザインの落語絵本制作に3Dプリンターを活用

左から公益財団法人共用品推進機構 星川安之氏、春風亭昇吉氏、手と目で見る教材ライブラリー 大内進氏

落語家の春風亭昇吉氏が、古典落語の点字絵本と登場するモノの触図を3D化して、誰もが楽しめるユニバーサルデザインの落語絵本を制作する。支援を募るためクラウドファンディングプロジェクトを立ち上げた。支援募集は2023年9月30日の23時まで。

制作される絵本には、落語に登場する人やモノ、長屋などの建築物を触って楽しめるよう、3Dプリンターで立体化するための3Dデータが付属する。

プロジェクトの目標金額は300万円で、目標金額を達成した場合のみ、集まった支援金を受け取れる「All-or-Nothing方式」で行われる。(上部画像は左から公益財団法人共用品推進機構 星川安之氏、春風亭昇吉氏、手と目で見る教材ライブラリー 大内進氏。出典:一般社団法人落語ユニバーサルデザイン化推進協会)

落語の点字絵本化に留まらないユニバーサルデザイン

ユニバーサルデザインとは年齢や障がいに関わらず、すべての人にとって利用しやすい設計のことをいう。

今回、春風亭昇吉氏が触って楽しめる落語絵本制作のクラウドファンディングプロジェクトを立ち上げたのには、学生時代に行った盲学校でのボランティア公演がある。そもそもきちんと伝わるのかという不安のなか行われた公演は、予想に反して大成功だったという。

そういった体験もあり、春風亭昇吉氏は「落語の点字絵本をつくりたい」という思いを、落語家になってから持ち続けていた。そして、さまざまな人との出会いを経て、その思いは「落語をただ点字にしただけでは自己満足で、落語世界の追体験が重要だ」というものに変わっていった。

落語に出てくる動物や虫、食べ物の「3Dプリンターによる造形物」
落語に出てくる動物や虫、食べ物の「3Dプリンターによる造形物」(出典:一般社団法人落語ユニバーサルデザイン化推進協会)

点字の絵本を作るだけでなく、落語に登場する人やモノ、長屋などの建築物を触って楽しめるよう3Dプリンターで立体化するといった工夫を施す。落語の世界観を具現化し、目が不自由な人だけではなく、どんな人でも楽しむことができる「ユニバーサルな落語のカタチ」を目指す。

触図の試作品/出典:一般社団法人落語ユニバーサルデザイン化推進協会
触図の試作品(出典:一般社団法人落語ユニバーサルデザイン化推進協会)

最初に取り組んでいる落語の演目は「まんじゅうこわい」だ。どんな子どもたちでも楽しめるようストーリーや演出を工夫し、浮き出ている絵(触図)にも試行錯誤を重ねたという。

巻末には春風亭昇吉氏による字幕付きの解説動画へのリンクと、3Dプリンターのデータが付記される。

春風亭昇吉氏よりクラウドファンディングご支援のお願い(出典:一般社団法人落語ユニバーサルデザイン化推進協会)

盲学校や点字図書館には、3Dプリンターがあるところが多く、データがあれば3Dプリンターで立体化できる仕様になっている。

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国内外の3DプリンターおよびAM(アディティブマニュファクチャリング)に関するニュースや最新事例などの情報発信を行っている日本最大級のバーティカルメディアの編集部。

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