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カワサキロボティクス社の新しい教育用ロボットが北米の教育者と学生に実践的な体験を提供

教育用ロボット「Astorino」

2024年8月21日、カワサキロボティクス(米国)株式会社は、産業技術教育プロバイダー向けの手頃な価格の教育用ロボットプラットフォーム「アストリノ(Astorino)」を、2024年9月9日から14日にシカゴで開催される2024年IMTSスマートフォース学生サミットで初公開する予定である。アストリノは、教育市場向けの他のロボットに比べて非常に低価格でありながら、最新の産業用ロボットの機能を提供することで、教育者が製造業の進化に合わせて学生に現実の基礎的なスキルを習得させやすくすることを目指している。(上部画像は教育用ロボット「Astorino」出典:カワサキロボティクス社)

アストリノの特徴と開発背景

アストリノという名称は、オープンソースのArduinoプラットフォームと開発パートナーASTORにちなんで名付けられたもので、カワサキロボティクス社の豊富な技術専門知識を活かし、ハードウェア、ファームウェア、制御システム、アプリケーションソフトウェア、トレーニングを提供している。このプラットフォームには、ロボットの99%の部品を迅速に3DプリントするためのSTLファイルも供給される。

カワサキの目指す教育支援の方向性

「アストリノの発売には明確な目標がある。それは、産業用ロボット教育の進展を促進することである」と、カワサキロボティクス社のジェネラルインダストリーズ部門ディレクターであるポール・マルコヴェッキオ氏は述べている。さらに「この新しいコスト効果の高いダイナミックなロボットプラットフォームにより、教育者が学生に高度なロボット設計ツールを提供する際の多くの障壁を取り除くことができる。手頃な価格と使いやすさにより、より多くの教育者が今日の製造環境で成功するために不可欠な実践的な経験を提供できるようになるだろう。」ということだ。

手頃な価格で高い教育効果を実現

アストリノの中心には、1kgのペイロードを持つ6軸ロボットがあり、その構造とプログラミング環境はカワサキ産業用ロボットとほぼ同じである。重量はわずか12kgで、110Vのコンセントで動作するため、あらゆる教室環境に適応可能である。アストリノプラットフォームには、内蔵の制御システム、専用のファームウェアとソフトウェア、Modbus TCPとUSB / Ethernet通信、E-ストップや安全ブレーキなどの安全機能が含まれている。モーター制御は3つの信号(パルス / 方向 / 有効)を使用し、スチールギアはバックラッシュを5アーク分未満に抑えていて、柔軟で、3種類のグリッパー、24V IOモジュール、光センサー付きキューブフィーダー、および外部センサーなどの複数のオプションと組み合わせることもできる。

教育者にとっての経済的な選択肢

基本価格が5,000ドル(約73万円)で、教育者は低い学生対機器比率を実現し、各学生がロボットを直接操作する時間を増やすことができる。このインタラクティブな学習アプローチは、メカトロニクスやプログラミングなどの知識の定着を高めるだけでなく、ロボットシステムの包括的な理解を提供する。これにより、あらゆるレベルの学生が現実のアプリケーション環境での準備を整えるとともに、ロボティクス分野への関心を高めることが期待される。

継続的なコスト削減と教育の最適化

アストリノは、運用コスト、保守コスト、および繰り返し発生するコストを最小限に抑えることで、学習機関向けにコスト効果が高いように設計されている。開発環境には専用のファームウェア、無料のソフトウェア、および無料のコードエディタが含まれており、ソフトウェアライセンスや交換部品などの繰り返し発生するコストを削減することで、教育者はコストを明確に把握し、予算の管理よりも教育に集中できるようになる。

トレーニングリソースの充実で効果的な教育を支援

カワサキロボティクス社の長年の実績を持つトレーニング部門は、フィールドサービスと幅広い産業用ロボットシステムおよびアプリケーションにおける豊富な専門知識を持っている。コースは各ロボットの基本的な紹介からプログラミングと操作、さらには詳細な修理および保守プログラムまで多岐にわたる。カワサキロボティクス社は、アストリノ向けにも同様のコース教材およびトレーナー養成コースを開発中である。

カワサキロボティクス社のニュースサイトより。
カワサキロボティクス社のニュースサイトより。(出典:カワサキロボティクス社)

アストリノ教育用ロボティクスプラットフォームは、IMTSスマートフォース学生サミットのカワサキロボティクスのブース(121415)で体験できる。詳細は、カワサキロボティクス社の公式サイトで確認することができる。

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